牛丼、お湯だくで
膝を打ちたくなるような着眼点で作られたアイデア商品の優れものが存在しますが、
中には『どうしてこんな物を作ったんだろう?』と首を傾げたくなる商品もありましてね。
お風呂が好きな日本人ではありますが、今は実に様々な【入浴剤】が売られてますよね。
薬用効果のある物から、各地の有名温泉が家庭の浴槽で楽しめる【温泉の素】など、
人気の入浴剤がある中で【牛丼の湯】というのがあるそうですね。
思わず二度見してしまうような入浴剤ですが、パッケージはまさに牛丼そのもの。
美味しそうな実物写真で『牛丼のレトルトパウチです』と言われても
信じてしまいそうな見た目な上、某有名牛丼店を連想させるような
オレンジ色のパッケージなんですね。
そのパッケージには
『特製ダレ仕立て!ご飯大盛り!つゆダクで!』という煽り文句が書かれているので、
お腹を空かせた人が丼にご飯をよそってパッケージの封を開けようとした瞬間、
『食べられません!』という注意書きが書かれているのに気づいて我に返る、
といったような代物なんですね。
商品表示を見てみると、牛肉や玉ねぎは入っていないので、
そこで本当に入浴剤なんだと確信できるといった按配ですね。
会社に寄せられたアイディアを
商品化する企画から生まれたのがこの入浴剤なんですが、
発売は二〇一六年だそうですから、もうかれこれ四年も
売れ続けているというヒット商品なんですね。
結構な人気商品で、オンラインストアでも品切れが多く、なかなか手に入らないそうですね。
実際に購入してみると中には、くすんだピンク色の薬剤が入っていて、
浴槽に入れた途端、物凄い匂いが浴室全体に充満するそうですね。
その匂いは【牛丼】というよりも【ニンニク】の匂いだそうでして、
食欲がわくかどうかはともかく、食べ物の匂いであることは確かみたいですね。
入浴剤がお湯に溶けていく時のビジュアルを見てると、
大きな鍋で味噌汁を作っているような心持ちになるそうでして、
お母さんが湯舟に浸かったら、まさに【おふくろの味】になりそうですよね。
溶けきると真っ茶色になるそうですが、
見た誰もが『茶色というのは入浴剤に向かない』という事を学べるんですね。
この湯に身を沈めた方は必ず、
『これは一体、どんな人が考えたんだろう?・・・どんなコンセプトだったのかな?
・・・開発には苦労があったんだろうか?・・・これをもう一度買うリピーターはいるのかな?・・・』
そんな事を考えているうちに、いつもより長湯してしまうそうですから、
まさに製作者の思う壺ですよね。
そしてもう一つ思うのが
『多分【自動保温】や【追い炊き】はしない方がいい』だそうですが、
確かにそんな気はしますよね。
ちなみにこの会社では他に
【おでんの湯】【カレーの湯】【ラーメンの湯】【焼きそばの湯】【チゲ鍋の湯】
などがあるそうなので、お風呂でも【日替わり定食】が楽しめるという事になりますよね。
微笑亭さん太