♪まわる~、ま~わる~よ、機械~はまわる~
遊園地に行かれる方も多いかと思いますが、
ジェットコースターと並んで、遊園地の代名詞的乗り物といえば
『観覧車』という事になるんじゃないでしょうか。
彼女との初デートで遊園地に行って、一緒に観覧車に乗るなんてのは憧れですよ。
彼女と密室で二人っきりになれるわけですから、昇りで徐々にスキンシップを図っていって、
てっぺんに来たら彼女にキスをして、
下りは、ファーストキスの緊張に震えている彼女に
『大丈夫かい?』と優しく声をかける・・・
完璧にシミュレーションして観覧車に乗り込んだ途端、
自分が高所恐怖症である事を思い出しましてね。
昇りで徐々に気分が悪くなっていって、てっぺんに来る頃には、
晴れ上がった大空に負けないくらい、顔色は真っ青。
下りは、吐きそうになっている自分に彼女が『大丈夫?』なんて聞いてたりしてね。
それっきり彼女と連絡が取れなくなるなんて事もあるわけですよ。
観覧車の原形というのは、
十八世紀初め、モスクワに登場したロシア貴族の遊具で、
あらかじめ車軸に巻き付けてあったロープを人力で引っ張るという、
随分と力技的なものだったんですね。
日本に初めて観覧車が登場したのは、
一九〇六年、大阪・天王寺で開催された、
日露戦争戦捷紀念博覧会で設置された観覧車が第一号だそうですから、
登場してから、もう百十四年も経つんですね。
一時期、やたらと観覧車が作られた時代がありました。
しかも遊園地と全く関係ない場所に、
観覧車だけが存在するという『独立型の観覧車』ですね。
これはビジネスとしてオイシイからだそうでして、建設に二十億以上かかっても、
順調にいけば数年で費用を回収できるんですね。
維持費、運営費は大してかからず、大きく儲かるんですね。
しかも、それを目当てに人が集まってくる事により、地域が活性化して、
雇用の拡大という事にも繋がるんですね。
そりゃ、あれだけの大きな観覧車を回すためには、相
当数、自転車を漕ぐ人が必要になってきますもんね・・。
しかし最近は、思ったように集客に繋がらず、
営業を終えたり苦戦してたりするところもあるようですから、
これからは観覧車の別の利用の仕方というのを考えていかなければいけませんね。
例えば、ゴンドラ内をベッドに改造して、『ラブホ観覧車』にするとかね。
これ、回ってる間にコトを済ませるわけですから、早い人には便利ですよ。
でも中には、延長延長で、もう十五周目に突入なんて人も出てくるかもしれませんね。
ありがちですが、『レストラン観覧車』なんてのもいいですよね。
縦に回る展望レストランという事になるわけですが、繁昌しそうですよね。
そして、いくらお客さんが入っても、回転率のいい店になりそうですね。
微笑亭さん太