ヒゲダンスより、ヒゲディフェンス
その一方で、男性のヒゲというのは、男らしさの象徴みたいなところもありますよね。
男性と女性には様々な身体的特徴の違いがあるわけですが、
中でも顔に生えるヒゲの量は男女で極端に異なっています。
女性もヒゲが生えないわけではありませんが、
圧倒的に男性のヒゲの量が多いですよね。
なぜ人間の男性においてのみ、ヒゲが発達したのかについては、
今までハッキリした事は判ってなかったんですね。
例えばライオンのオスに生えている立派な【たてがみ】というのは、
他の動物と争った時、相手の爪や歯から身を守るための物だという事なんですが、
人間のヒゲは『女性を引きつけるための単なる飾り』ではないかと言われていたそうですね。
ところが最近発表された論文で
『人間のアゴヒゲは、ケンカした時、相手のパンチなどの攻撃から
身を守るために発達した可能性がある』と研究者が主張しているそうですね。
この主張をしている研究チームは
『人間を含めた類人猿に見られる、他の個体への肉体的攻撃は、ほとんどオス同士で行われる』とか
『人間が素手でケンカをする際、攻撃のターゲットは顔面が主となる』
『男性は女性と比較して、戦闘による顔面の負傷が68~92%も多い』といった点から、
人間のアゴヒゲが顔面への攻撃から身を守るために
進化したのではないかという結論に達したんですね。
濃いアゴヒゲは、パンチなどのエネルギーを分散・吸収し、
顔の皮膚や骨を保護するために役立つ可能性があるというわけですね。
「お前、何でヒゲ伸ばしてるの?」
「ほら、俺ってケンカっ早いだろ?
人のヒゲって、ケンカ相手のパンチ攻撃を和らげてくれる効果があるらしいんだよ」
「へえ~そうなんだ。本当にそういう効果はあるの?」
「この間、実際ケンカになったんだけど、
このアゴヒゲつかまれて身動きとれなくさせられて、ボコボコにぶん殴られたよ」
それじゃ何にもなりませんけどね。
「お前、何だかアゴヒゲがどんどん伸びてるけど、どうして?」
「・・・最近さ、俺に対するウチのカミさんのDVが激しくなってさ・・・」
これは文字通り『身を守るため』ですから、伸ばした方がいいでしょうね。
「俺、ヒゲは濃いのに、髪の毛は薄くなっていくんだよね。
何で必要ない毛がドンドン生えてきて、必要な毛は生えてこないんだろうね」
「いいか、男が禿げるのは家庭を守るためなんだぞ」
「家庭を守るため?どういう事?」
「ほら、髪というのは性の象徴であり、その人の魅力の一つなんだよ。
だから、それを失わせる事で、他のメスが寄りつかなくなる。
その結果、妻や子供の食い扶持が確保されるという、神様が作ったシステムだな」
「ふ~ん・・・じゃあ俺みたいに、家庭を持つ前にハゲた奴はどうなるの?」
「・・・お前は、神の想定外だな」
神にも、髪の事は把握しきれなかったんでしょうかね。
微笑亭さん太