説教の仕方についての説教
壁にぶち当たって落ち込むというのは、ありがちな事ですよね。
そんな時は、上司や先輩からアドバイスや説教を受けるなんて事もあるでしょうね。
クライアントからダメ出しをされて落ち込んでいる新人のデザイナーに先輩が、
「落ち込む事なんてないよ。いい?
クライアントがダメ出しをする理由の50%は『内容を良くしたいから』じゃなくて
『ダメ出しをしないと仕事した気にならないから』なんだ。
だから本命のA案の前に【否定してもらう用のB案】を必ず、みんな適当に作っているんだよ」
「えっ、そうなんですか?」
「そう、で、たまにB案で通っちゃうとモヤモヤしちゃうんだよ」
人は年を取ると、若者たちに説教したがるという傾向がありますよね。
自分が若い頃には、説教されるのが凄くイヤだったのに、
いざ自分が年長者になると説教する側に回って、
若者たちから嫌われるようになっちゃうわけですね。
『いいか、よく聞けよ・・・』なんて始まると若者たちは
『あ~また始まったよ』なんてんで、説教の言葉を頭から浴びる、
滝に打たれる修行僧のように耐えて耐えて、耐え抜くわけですが、
全く聞いてなくて、ただ説教が終わるのを待ってる事が多いですよね。
基本的に年配の方々の説教というのは『俺の若い頃なんかはな』という自慢話系か、
『だからお前たちはダメなんだよ』という、今時の若者批判系の話が多いですよね。
これでは向こうが絶対に食いついてきません。
若い人に話す時は『この若者は、こんな事で悩んでいるのではないだろうか』と、
相手の関心事がどこにあるのか探りながら話をするべきですね。
相手の聞きたそうな事、ヒントがほしいと思っていそうな話題を探り探り話をすれば、
必ず向こうは耳を傾けてくれますよね。
相手の気持ちに寄り添うような形での説教であれば、
例え自分の悩んでいる事でなくても『そういえば友達がそれで悩んでいたけど、
どうアドバイスしたらよいか判らなかった事だな』なんてんで、
ヒントを得ようと身を乗り出してきたりしますね。
あるいは、話の中からヒントを探り出し『自分のケースなら、どうすればよいだろう?』と
深く考え出しますから、説教というのは『される身になって丁寧に』という感じでしょうかね。
アイドルの追っかけが趣味だという部下に、上司の方が説教してましてね。
「君ね、自覚してないようだから言うけど、
いい歳して結婚もしないでアイドルのライブに通い詰めてるのは異常な事だよ」
「判ってます、課長。
判ってますけど、異常な事をしている時の快感なんて、他人には判らないんですよ」
逆に説教されたって話がありましてね。
そうかと思うと街角で年配のおば様が、
若いギャルのファッションに対し顔をしかめて説教してましてね。
「ちょっと、何そのスカート。短すぎじゃない?まるで夜のお仕事してる人みたいよ」
それを聞いたギャルは笑顔で一言、
「可愛いっしょ!」
全然聞いてもいないし、効いてもいない感じが見事ですよね。
微笑亭さん太