花火大会に、打ち上げはあるのか?
早々と夏祭りの花火大会の中止を決定した自治体もあるようで、寂しい限りですよね。
花火大会と呼ばれるものは、ほとんどが7月、8月に集中してますよね。
花火といえば日本ではやはり『夏の風物詩』なんですが、
海外では、そうでもないようですね。
むしろ新年を迎える際のイベントなどで、打ち上げ花火が好んで使われるため、
多くの国では冬の方が消費量が多かったりするんですね。
でもやっぱり、日本人的感覚からすると、
ドテラ着てマフラーして体にカイロ貼り付けて、鍋焼きうどんを食べながら鼻水たらして
『たまや~!』って感じではないですよね。
花火の始まりというのは紀元前の中国だと言われてましてね。
その頃の花火というのは、現在のような観賞用ではなく、
完全に『武器』として使用されてたんですね。
敵陣に打ち込んで混乱を誘ったり、
火事を起こしたりする狙いのために使用されていたわけでして、
火矢に似た物だったわけです。
ですから今、夏場の公園なんかでヤンキーの皆さんが、
奇声を発しながらお互いにロケット花火を打ち合ったりしてるのは、
ある意味『正しい使い方』と言えなくもないわけですね。
花火が日本に伝わってきたのは意外に新しくて、
戦国時代から江戸時代にかけてだとされてますね。
記録に残っている最初の花火は、
1613年に外国人が駿府で打ち上げたものだという事でして、
これを見ていたのが、あの徳川家康なんですね。
この時、打ち上げた花火の火の粉が飛んできて、
家康の着物の裾についてしまったんですね。
家来が慌てて火を消そうとするのを手で制して、
『消えぬなら、消えるまで待とう、ほととぎす』と悠長な事を言っていて、
大火傷をしてしまったなんという話は、どこの文献にも載ってませんけどね。
花火の色が鮮やかに見えるのは『炎色反応』を利用しているからなんですね。
理科の実験で、ガスバーナーの火に色んな物をかざしてみた時の反応と同じ物ですよ。
鮮やかな赤色はストロンチウムの化合物、
黄色はナトリウム、緑色はバリウムを使うそうですので、
胃の検査直前のお父さんを打ち上げたら、見事な緑色が出るんじゃないでしょうかね。
日本と西洋では花火に違いがありまして、
日本の打ち上げ花火は球形に広がりますが、西洋の花火は平面的に広がるんですね。
これは日本の花火が庶民の楽しみだったのに対して、
西洋の花火の観客は少数の貴族だったので、
その館から綺麗に見えればそれでよかったからなんですね。
ですから日本の花火大会に行く場合には、どの角度から見ても同じように見えますが、
重要なのは風上側に陣取る事なんですね。
風下では煙が流れてきて綺麗に見えないですからね。
打上花火の玉の大きさは寸、尺で表されますが、
直径約6・0六センチの2寸玉(2号玉)から、60・6センチの2尺玉(20号玉)、
さらに3尺玉、4尺玉まであるんですね。
世界最大といわれている4尺玉は、800メートル程度まで広がるそうですね。
最近開発された世界最小の打ち上げ花火は、
玉の直径が1センチ、打ちあげる距離は2メートルだそうですね。
これが実用化されて、ロウソクと一緒に、
ケーキの上に立てられるようになったら面白いですよね。
ロウソクの火を消そうと顔をケーキの上に持っていったら、
花火が顔面を直撃なんて事になって、それなりに誕生日パーティーは
盛り上がるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太