人妻武芸十八般
それを他人が着ていってしまって盗まれる危険があるから気をつけないといけませんよね。
ですから脱いだコートには
『このコートの持ち主は、空手のチャンピオンです』という名札を付けておくと
盗難防止効果があるそうですね。
ある方が実際にやってみたそうでして、これなら盗まれないだろうと安心してたら、
見事にコートが無くなってましてね。
そのコートがあったあたりに名札が置いてありまして、ふと見ると、
『あなたのコートを盗んで逃げた男は、短距離走のチャンピオンです』
と書いてあったそうですね・・・これはとても追いつけませんよね。
柔道、剣道、空手といった武道の達人というのは、
心身共に凛としているイメージがありますよね。
この手の武道というのは、どちらかと言えば、
『男性がやるもの』というイメージがありますが、
最近は、武道に挑戦する中高年女性というのが増えているそうですね。
体だけでなく、心も健康にしてくれるというのが人気の理由だそうですね。
高い段位に挑戦する女性も多いようでして、全日本剣道連盟によると十年以上前から、
六段以上の段審査を受ける女性が目立つらしいですね。
そういった高段位の審査を受けるためには、修行期間や年齢などに条件がありますから、
それだけ長く続けている女性が多いという事の、証明にもなるわけですね。
「ねえあなた、私今度、柔道六段の審査を受けようと思うの」
「六段?お前も好きだな~。だけどもう、それ以上段を取る必要はないだろ?」
「どうして?」
「だってさ、マブタは一段、アゴは二段、腹は三段だろ」
「失礼ね!何言ってんの、それだけじゃないわよ。
あなたの安月給のお陰で私は、『やりくり算段』よ!(バシッ!)」
なんてんで、殴られちゃったりしてね。
奥さんに『一本』取られたあげく、旦那さんの顔は『アザあり』だったりするわけですね。
これからも、武道に熱中する奥さんなんかが増えてくると大変ですよ。
旦那さんが会社から帰ってくると、まな板の音がする。
『ああ、夕食の支度をしてるんだな』と思って見ると、奥さんが薙刀で鶏肉を切ってたりしてね。
「あなた、今夜は焼き鳥よ」
切った鶏肉を空中に放り投げて、一瞬にして手に持った串に刺していく様を見て、
最近妻がフェンシングまで始めた事を知るわけですね。
浮気なんかした日には大変ですよ。
若い女の子と楽しそうにドライブしてたら、後ろから馬の蹄の音が聞こえてくる。
『はて何だろう?』とバックミラーを覗き込むと、
馬に跨った奥さんが追っかけてくるのが見えましてね。
驚いてると、馬の背から放たれた矢が運転席を貫通しましてね。
流鏑馬(やぶさめ)の腕もかなりのものだと、
我が妻を見直すきっかけになるかもしれませんね。
微笑亭さん太