シビれるあの子
何百冊という本の内容が小さな電子端末に入ってしまうわけですから、
本棚を持ち歩いてるようなもので大変便利ですよ。
デジタル機器ですから、さぞや若い人たちが使うんだろうと思ったら、
一番使う年齢層というのは中高年なんだそうですね。
これ意外に思われるんですが、
電子書籍の場合というのは文字の拡大が簡単にできますから
『老眼系男子』には持ってこいなんですね。
デジタル機器でありながら、理由は実にアナログっぽいですよね。
こういった電子書籍にしろ、スマホやタブレットなんかでも、
画面に触れて操作するという端末が増えてきましたが、
あれは静電気の原理を応用してるんだそうですね。
ですから、生身で触れてこそ静電気が発生しますから、
手袋なんかをしてたら操作できないわけですよ。
静電気というと冬場、
ドアノブに『かめはめ波』をくらったみたいな仕打ちを受けて、
跳ね飛ばされてる方を見かけたりしますが、あまり好かれる存在ではないですよね。
静電気は指先でビリッときたりしますので、
指の先端のみで流れているような印象を受けますが、
実は静電気の電磁波というのは、ビリッときた後、
光速で全身を駆け巡ってるという事が最近の研究で明らかになったそうですね。
人が静電気を感じると、時速十億キロという、
ほぼ光速のスピードで、指先から腕、胴体を通り足まで行くと反射して、
今度は上に向かい、頭頂部から空気中に発射されるんですね。
サラッと感電してるみたいなもんですよ。
静電気の発生から放出までの時間は、一億分の一秒という事なんですが、
この事実を踏まえて『手を触れただけで通過できる改札』
なんかが作られる可能性があるそうですね。
節電という観点からも、
貴重な電力である静電気をうまく使えるといいですよね。
体内に蓄電して、自由自在に使いこなせる『電気ウナギ』みたいな人が出てきましてね。
「美帆、ちょっとドライヤー使わせてもらってもいい?」
「また?しょうがないわね」
「悪いわね」
なんてんで、鼻の穴にコンセントを差し込むと、ドライヤーが動き出すわけですね。
携帯電話は、脇の下に挟んで充電したりしてね。
こういう子が満員電車に乗ったりして痴漢に遭遇すると大変ですよ。
「・・・この人、痴漢です!私のお尻触りました」
「君のお尻を触った?バカな事を。どこにそんな証拠が?」
と言いながらも、手が丸焦げになってたりしてね。
好きな男の子が出来ると、百発百中で射止める事が出来るんですね。
何しろ瞳から一万ボルトの電流が出ますから、男子はイチコロですよ。
様々な変わった体験をしますから、しまいにはそれをまとめた本を出しましてね。
「その本は自叙伝ですか?」ったら、
「いいえ、伝記(電気)です」
なんてな事になるんでしょうね。
微笑亭さん太