唸るアドバンテージ
選手がボールを打つ瞬間に『アッ!』とか『ウッ!』といった唸り声を出す選手が結構いますよね。
かなり素っ頓狂な声を出す方もいまして、
あんな声は、テニスの試合かニワトリが絞められる時くらいしか聞けませんよ。
ところが、この唸り声が、相手選手の反応や判断力に影響を与えることが、
研究で判っているようですね。
以前カナダのブリティッシュ・コロンビア大学と米国のハワイ大学の共同研究チームが、
大きな唸り声を発するテニス選手と、そうでない選手のビデオを学生に見せ、
打ったボールの方向などを判断してもらうテストを実施したんですね。
そうしましたら、唸り声が発せられると、学生の反応が遅くなり、
ボールの方向についても判断を誤る確率が高くなったらしいですね。
あと、唸り声が発せられなくても、女子選手のスコートが翻ると、
そこを見てしまう反応は超速くなっていたそうです。
プロ選手の中には、ボールがラケットに当たるときの音で、
ボールの回転と速さを判断するという凄い事をやっている方もいるそうで、
唸り声はその音をかき消してしまうんですね。
他にも、単純に注意を散漫にさせる原因にもなり得るため、
唸り声で知られる選手たちは
『不当な優位性』を与えられている可能性があると指摘されてるんですね。
テニス界では、選手が発するうなり声について賛否両論があり、
女子テニスの往年の名選手、マルチナ・ナブラチロワさんなんかは
『全くの不正行為だ』とまで批判しているんですが、
逆に言えば、禁止されない限りは『有効な戦術』として
唸り声を活用する事が可能という事になりますよね。
ですからボールを打つたびに
『ビロ~ン』とか『ヘニャ~ン』とか『ドゥ~ン』とか言えば、
一流のテニスプレイヤーとはいえリズムを崩す可能性大ですよね。
『ヒーヒーフー!』なんて叫べば、試合が終わる頃には、二、三人出産してそうですもんね。
テニス選手の打つサーブというのは凄まじい速度で放たれるわけですが、
速度の最高記録というのは2012年5月9日、韓国の釜山にて
サミュエル・グロート選手が出した、時速263・4キロというのが最速だそうですね。
263キロという速度ですから、この方が『のぞみ』の車内でサーブを放てば、
乗っているお客さんにはボールが止まって見えるという事になりますよね。
しかし一流であれば、速いサーブは打てるという事で、
遅いサーブを売りにする選手も出てくるんじゃないですかね。
打ってから相手コートに届くまでに
二十分くらいかかるもんですから、仮眠するお客さんもいましてね。
喉が渇いたお客さんは、サーブを打ったのを見届けてから、
売店に飲み物を買いにいったりするわけですよ。
コートの中だけでなく、客席でも『ジュース』なんて事になるかもしれませんね。
微笑亭さん太