ヒーローに歴史あり
『仮面ライダー』や『ウルトラマン』などは歴史が長く、
親子二代に渡って楽しめるものになってますから、
『昭和ライダー』とか『平成ライダー』といったように、呼び方を分けたりします。
ライダーやウルトラマンに次ぐ『老舗』というと『戦隊物』という事になるわけでして、
五人の戦士が悪の組織と戦うという戦隊物の第一作、
『秘密戦隊ゴレンジャー』がスタートしたのは一九七五年でしてね。
『秘密戦隊』と言う割には、赤、青、黄、ピンク、緑という、
『目立ちすぎるだろ!』みたいな格好で自己紹介した挙句、
『五人揃って、ゴレンジャー!』と名乗りをあげたりして、
ちっとも秘密じゃなかったんですけどね。
当時、仮面ライダーにしてもウルトラマンにしても、
単体のヒーローが多数の敵を相手に戦うのが主だったものを、
多人数で寄ってたかって一人の怪人をボコるというのは、衝撃的でしたね。
過去の戦隊物の作品を見ていくと、
当時の歴史的事情が垣間見えるという事がありますね。
シリーズ五作目の『太陽戦隊サンバルカン』では、戦士が三人に減っちゃったんですね。
これは何故かというと、
この作品で初めて、それぞれの戦士が乗るメカが合体しての
合体型巨大ロボットが登場したんですが、昭和の当時はまだ、
多数のメカを合体させる技術がなかったんですね。
そのあたりが、常に玩具メーカーとのタイアップで作られる特撮番組の
『オトナの事情』というやつでしてね。
戦士のキャラも、筋肉ムキムキの肉食系から、
草食系のイケメンになり、年齢も若返ってるんですね。
これは子供と一緒に見ているお母さんを取り込もうという作戦で、
『変身しちゃうと視聴率が下がる』なんという現象も起きてたりするんですね。
八作目の『超電子バイオマン』からは、女性戦士が二人になり、
女性の強さも描かれるようになっていったんですね。
男女雇用機会均等とか、男女共同参画といったような時代の流れを反映してるんですね。
これだけ女性が強くなってきたんですから、次回作は、
女性のみの戦隊でもいいんじゃないですかね。
『玉の輿戦隊ジョシレンジャー』なんてんでね。「ピンクかわいい~!私、ピンクがいい~!」
なんてんで、もう最初から色の取り合いになるわけですよ。
「・・・ところであんたはさ、レッドにつくの?ブラックにつくの?」
結成してすぐに『派閥』ができるんですね。
対立する派閥にイジメを受けて、イエローが『ブルー』になっちゃったりしましてね。
しかも面倒な事に『変身』は、トイレに入って二時間かかるんですね。
怪人にパンチで攻撃するとネイルが取れちゃうからと何もしないし、
夜九時以降は、お肌に悪いからと戦わないんですね。
しかも戦ってる最中、犬の散歩をしてる人が通りかかると、
『かわいい~!』なんてんで犬に夢中になっちゃって、
怪人の方はほったらかしになるという・・・やっぱり、こんな戦隊はダメですかね?
微笑亭さん太