愛の傘下
『菜種梅雨』なんて言葉もあるように、春は長雨が続いたりして、
傘を使う機会が結構あったりします。
二〇〇〇年に作られた、
ビートたけしさん主演の『バトルロワイヤル』という映画がありますが、
それが海外で公開された時、当時の欧米のお客さんは、
たけしさんが雨の中でビニール傘を差すシーンというのに驚いたそうですね。
というのも、
欧米ではビニール傘というのを使う習慣がなかったので、
透明な傘を差している光景というのが、とても奇異に映ったそうですね。
まあ確かに、ビニールで守られてるのは日本人か、
寒さに弱い農作物くらいのものですからね。
今は百円ショップでも傘が買える時代になりましたが、
いつもビニール傘で済ませている人というのは、権力に縛られずに、
出世願望もあまりない人だそうですね。
柔軟な考え方の持ち主ではありますが、
同時に行きあたりばったりな傾向もありますから、
上司には向かないタイプかもしれませんね。
逆に、見るからに高級そうなブランド傘を持っている人というのは、
権力指向で出世願望が強く、黒い洋傘を持っている人は、日和見主義である事が多いんですね。
・・・『コウモリ』ですからね。
中心的な人物のところへ寄り集まる事を『傘下』と言いますが、
この傘の法則からすると、ブランド物の傘を持っている人の下には、
とりあえずついておいた方がいいようですね。
これがいわゆる『傘下する事に意義がある』というやつですね。
電車やお店なんかに、よく傘を忘れる方というのがいらっしゃいますよね。
「俺は、傘を忘れた事はないよ」
こういう方は、『集中的思考』の持ち主というそうでして、
合理的かつ論理的な人で、順序立てて物事を考えるタイプの人なんですね。
こういう方がいたら、すぐに、会社の経理係なんかにスカウトすべきですね。
一方、よく忘れる方というのは、単に忘れっぽいだけでなく、
そこにある様々な物や音に興味を引かれやすい、
『拡散的思考』というのの持ち主なんだそうですね。
ある事に興味を引かれていて、傘を忘れちゃうわけですね。
「すみません、電車の中に傘を忘れてしまって。こちらに届いてませんか?」
「ひょっとして、この傘ですか」
「ああ、そうです。
いや~、ついつい女の子のお尻触るのに夢中になってて忘れちゃったんですよ~」
なんてんで、妙なところで犯罪を、カミングアウトしちゃったりしましてね。
ただ、こういう方は
創造的で新しい発想を生み出すのが得意という方が多いですから、
デザイナーなんかを探してる方だったら、警察から釈放されるのを待ってでも、
スカウトすべきのようですね。
微笑亭さん太