人間合格?
こういう大きな賞を貰った作家さんが後の世に、
【文豪】と呼ばれる存在になっていく可能性は十分にありますよね。
あまり本を読まない方でも【太宰治】の名は知っているでしょうし、
まさしく文豪と呼ぶに相応しい存在ですよね。
ただ、太宰治の名前を聞いた事はあるけど、
実は本人についてはあまり知らないという方がほとんどじゃないかと思いますね。
熱湯風呂を前にして『押すなよ、押すなよ!』と言っていて、
押されて落ちるのがお約束というのがダチョウ俱楽部ですが、
太宰治の場合、『死ぬよ、死ぬよ!』と言っていながら、なかなか死なないという
【逆ダチョウ俱楽部】みたいな方ですよね。
実際、三度の自殺を図りながら、いずれも未遂に終わり、
四回目にしてやっと成功したわけですからね・・・
まあ自殺したのを【成功】と言っていいのかどうか判りませんが。
太宰治という方は明治四十二年に、
十一人兄弟の十番目、六男として青森県の大地主の家に生まれたんですね。
【太宰治】という名前はペンネームでして、本名は津島修治と言うんですね。
地元の名士である父は仕事で忙しく、母は病弱だったため、
幼少期は乳母や叔母に育てられたんですが、小さい頃から成績が優秀で、
読書が好きだった太宰は、十七歳の頃には同人誌を発行し、作家を志すようになったんですね。
小・中学校と成績優秀だった彼ですが、小説を書く事に熱中しすぎたあまり、
勉強に気持ちが向かなくなってしまい、高校を卒業する頃には、
成績は落ち込んじゃったそうですね。
ですから大学は現在の東京大学に入学したそうですね。
・・・成績が落ち込んできて東大って、どれだけ優秀なんだよ!って話ですよね。
太宰治というと、『人間失格』や『走れメロス』といった、
常に苦悩している人を扱ったその作品の世界観から、
食も細く、ひ弱な体躯を想像しがちですが、実は身長百七十五センチと、
当時の男性としては大柄で、しかも大食漢だったそうですね。
酒の肴に湯豆腐を好み、豆腐屋から何丁も豆腐を買っていたため、
近所の噂になるほどだったという事ですから、相当沢山買っていたんでしょうね。
豆腐好きの理由について彼は
『豆腐は酒の毒を消すし、豆腐の味噌汁は煙草の毒を消すから』と言っていたそうですが、
彼は歯が悪かったし、豆腐は何丁食べても
たかが値段が知れているのが本当の理由だったという事ですね。
あまりに豆腐が好きなので、自殺を考えた際には、
豆腐の角に頭をぶつけて死のうとしたそうですけどね・・・
数々の女性と浮名を流した太宰治ですが、
「彼は好きな女性の事が豆腐に見えていたというのは本当ですか?」
「ええ、大事(大豆)にしてましたからね」
写真を拝見すると結構なイケメンですから、
まさに【ニガリ走ったいい男】という事になるんですかね。
微笑亭さん太