ハンでおしたような仕事ぶり
誰でもいいから働いてくれないかな」
そんな事を言っているⅠT関連の会社に五十代の人間が
「私を雇ってください!」
「歳をとってる人はいらないよ」と言われちゃいましてね。
「私を雇ってください!」四十代の人間が来ると、
「マネジメントできない人はいらないよ」
「私を雇ってください!」三十代の人間が来ると、
「未知数の君に給料は払えないよ」
「ボクを雇ってください!」二十代の人間が来ると、
「冗談じゃない、未経験者はいらないよ。
・・・ウチの会社、いつも人手不足で、とても困ってるんだよ・・・
誰でもいいから働いてくれないかな」
・・・これは当然、人手不足になるでしょうね。
会社で作成した書類には上司のハンコが欠かせなかったりしますが、
役所などに出す届け出の書類にもハンコが必要な物が多々あり、うっかり忘れて行ってしまい、
出直すハメになったなんという経験をお持ちの方もあるでしょうね。
印鑑は百円ショップでも売っていて、どんな名前のハンコでも買える物が、
なぜ本人認証で必要なのか疑問を抱く方も多いでしょう。
IT技術の進歩で印影の複製が容易になり、
印鑑による本人認証の仕組みは既に形骸化しつつありますが、
印章業界の方々にとっては、ハンコがなくなると困るわけですね。
そんなハンコ文化を守ろうとする人々は、
IT化を阻む象徴のようにとらえられ、非難の嵐にさらされているんですが、
ここに来て、印章業界の方々にとっては、救世主とも呼べるハイテクマシン、
【自動ハンコ押しロボット】が誕生したそうですね。
【COBOTTA】というこのロボット、
アームロボット二台と、ブックスキャナーなどを組み合わせたシステムで、
片方のアームが先端にあるカメラで書面のハンコを押す領域を探して認識し、
ハンコに朱肉をつけて書面に押すんですね。
もう片方のアームはエアーで吸着してページをめくったり、
書類を取り換えたり、紙が浮かないように抑えたりするそうですから、
何十枚もある同じ書類の同じ場所にハンコを押すとか、
中綴じで冊子型の契約書などで、ページをめくりながら
何か所かあるハンコを押す場所を探して押すとか、
さまざまな作業が可能になるようですね。
「自動ハンコ押しロボットというのは便利ですね。欠点は何ですか?」
「はい、人間が押すよりも遅いんです」
今のところ、これが最大の問題点のようですね。
そのうちオフィスには、このロボットが沢山導入されるようになるかもしれませんね。
「ウチの会社、ハンコ押しロボットの数が多すぎるんじゃないの?」
「ええ、ハンコ押しロボットですから、多いん(押印)です」
「しかも最近、ロボットのくせに人間の言う事を聞かないそうだな」
「多分、【ハンコう期】なんじゃないでしょうか?」
「女子社員を口説いたりもしてるんだって?」
「仕方ありませんよ、オス(押す)ですから」
こんな会話が交わされる近未来が予想できますよね。
微笑亭さん太