改訂版・天災
「ダメだよ、お前さん、そんなに飲んだら」
「うるせえ!お前なんぞに、高座が次から次へと飛んだ、俺の気持ちなんか判るはずねえんだ!」
「だからといって、お酒に逃げるのはよくないよ・・てゆーか、お前さん、お酒飲めないだろ?だからウチにお酒置いてないんだよ」
「うるせえ、うるせえ、うるせえ!モンブランとティラミス買ってこい!」
「判ったよ、ミルクレープもつけておくから。・・だけどお前さん、高座が飛んだのは、あんただけじゃないんだよ。噺家さん、みんなが辛い思いをしてるんだからさ。元気をお出しよ」
「俺だって・・俺だって・・元気を出してえんだけど、出ねえんだよ・・俺から落語取ったら、何が残るんだよ・・情けねえ・・ウッウッ・・」
「大丈夫だよお前さん。間違いなく、すぐに平穏な状態に戻るから」
「何でそんな事が判るんだ?」
「だって落語だろ?最後には必ず、落ち着く(オチつく)に決まってるよ」
おあとがよろしいようで・・
微笑亭さん太