誰か聞いてる?
牛丼の【吉野家】の前を通りがかった時、お店から出てきた男子高校生二人が、
「二軒目はどこ行く?すき家?」
と牛丼のハシゴの相談をしてたのを聞いて『若いという事は素晴らしいね~』と、
思わず独り言を呟いてしまったそうですが・・・
これは口をついて出てしまいますよね。
どんな方でも【独り言】を言った事がないという方はいないと思いますが、
独り言を言うシチュエーションは様々ですよね。
ありがちなのは【テレビを見ている時】でしょうね。
意外な展開のドラマを見て『マジで!?』と言ったり、
グルメ番組を見ていて『うわ~、これウマそう~』と言ってみたり、
ワイドショーのコメンテーターのナイスコメントに『座布団一枚!』なんて
叫んでみたりなんて事はありますよね。
「俺はね、テレビ番組を二倍楽しんでるんだよ」
「二倍楽しむ?どういう事?」
「テレビをリアルタイムで見ながら、その様子を動画で撮っておくんだよ。
その番組が終わった後、その動画を見ると、
自分が番組に対してツッコんだりして、
実に多くの独り言を言ってるのが判って、また楽しめるんだよね~」
これはちょっとした【劇団ひとり】ですよね。
独り暮らしをしている方で、何かするたびに
『さあ、歯を磨こう』とか『着替えるかな~』とか、
自分の行動をいちいち声に出す方がいらっしゃいますよね。
「俺ってそういうタイプだからさ、この間、『あ、ライン来た』とか
『ヤベ~!この服、似合うじゃん!』とか
独り言を言ってるところに彼女が入ってきてさ、『どこに女が隠れてるの!?』
・・・浮気を疑われた事があったよ」
独り言も、時に紛らわしい感じになっちゃうんですね。
「この間、安アパートの俺の部屋で、心霊現象があったんだよ。
とても寒い夜だったから、思わず『寒い』って独り言を呟いたんだよ。
そしたら壁の方から『私も・・・』って声が聞こえてきてな・・・
あれはやっぱり、幽霊の声だよな・・・」
「・・・お前のアパート、壁が凄く薄いだろ?」
恐らく、隣の部屋に住んでいた方も、同じように寒かったんでしょうね。
「俺の知ってる奴でさ、独り言が多い奴がいるんだよ」
「そうなの?」
「うん。ず~っと独り言言っててさ、見てるこっちが怖くなってくるよ」
「会話する友達はいないの?」
「いないんだろうな~。話し相手がいないから、独りで喋ってんだろうな」
「それは可哀想な人だね」
なんてな事を言ってる人を見て、
「・・・なあ、あの人って、さっきから何を独りで喋ってんだろうな?」
独り言は、ほどほどに言うのがよろしいようですね。
微笑亭さん太