勝ちの価値
今はペナントで優勝しても、クライマックスシリーズを勝ち抜かないと
日本シリーズに出られないというのが、なかなか悩ましいところですよね。
Aクラス三チームが戦っている間、Bクラス三チームは暇ですから、
いっその事『逆クライマックスシリーズ』をやったらどうですかね。
両リーグの下位三チームが戦って、負け残ったチーム同士が、
『日本十二位』を目指して死闘を繰り広げるわけですね。
これ、負けた方は落ち込みますよ。
チーム全員真っ暗になって、まさに『暗いマックス』ですよ。
最下位だったチームは、リトルリーグのチャンピオンチームと入れ替えたらどうですかね。
そうしますと翌年は、プロの球団がリトルリーグに混じってプレーするわけでが、
これは結構大変だと思いますよ。
実力的に、プロが雲泥の差なのは当たり前なんですが、
ちょっと盗塁したりすると『子供相手に真剣か?』とか
『大人げない』なんてヤジを飛ばされるから、やりにくいですよ。
試合で勝つと、ガッツポーズをしたりして
喜びを爆発させるのは勝者の常ですが、
敗者の『がっかりした表情』というのは、勝者の『脳の喜び』になっているそうですね。
他人の幸福や不幸に対し、
同じ気持ちを抱く心理状態を『共感』と呼ぶのに対して、
野球やサッカーなどの試合で、勝者が敗者の悔しい表情を見て喜ぶ感情は
『反共感』と呼ばれているそうでして、
その反共感で快感を得ているのが勝者という事になるわけですね。
どちらかというと、相手に勝った事が嬉しいんじゃなくて、
相手が自分に負けた事が嬉しいみたいな構図になってるわけです。
人間というのは元々、他人の不幸を喜ぶところがありますからね。
何故かというと、他人の不幸には、
『バニラ、ストロベリー、メロン』という味がついてるからなんですね。
これがいわゆる、『他人の不幸は三つの味(蜜の味)』というやつですよ。
よく勝者が敗者を抱擁してたりしますが、
あれは健闘を称えてるわけじゃなくて、悔しそうな表情を、
もっと近くで見るためなのかもしれませんね。
これは裏を返すと
『負けて悔しがるというのは、勝者の思うツボ』と言えるわけですから、
負けても一緒に嬉しがってしまえばいいですよね。
「ざまあ見ろ、俺の勝ちだ」
「わ~い、わ~い、負けちゃった~!」
「お前は負けたんだから悔しがれよ」
「わ~い、わ~い、次は勝てるかもしれないから嬉しいな~!テヘッ!」
なんてな調子で来られたら『勝っても損』みたいな感じになるでしょうね。
そして最後には敗者の方から、
「・・・今日はこのへんで勘弁しといてやるよ」
なんてんで、吉本新喜劇並みの捨て台詞でキメれば、
どちらが勝者だか本当に判らなくなるんじゃないですかね。
微笑亭さん太