いけてない人たち
お通夜に行く前に喪服でコンビニに寄り、一万円札で買い物をしたんですね。
「すみません、お釣りを五千円札でください」
そう言うと、高校生くらいのバイトの男の子がレジにある五千円札を全部出して、
「え~っと・・・お客さん、これが一番使用感ありますよ」
と言って、適度に使い込まれた五千円札を選んで出してくれたそうですね。
香典は新札を使ってはいけないと、ちゃんと親御さんに教えられていたんでしょうね。
こういう教育は、学校に行っていても、なかなか教えてもらえない事ですよね。
「お母さん、今日学校の教科書に
【ふこう】って言葉が出てきたんだけど、【ふこう】って何?」
「幸せじゃないって事よ」
「ふ~ん。じゃあお母さん、【しあわせ】って何?」
「・・・判らない方が幸せよ」
含蓄のある教えというのは、こういう事なんでしょうかね。
学校に通えない、いわゆる【不登校】になる子供の割合は、
この五年間で急激に上昇しているそうですね。
不登校の原因というとイジメである事がほとんどのように考えられてますが、
二〇一八年の文部科学省のデータでは、不登校の原因の一位は【不安】、
二位が【無気力】、そして三位が【イジメ】なんですね。
イジメよりも、不安や無気力が理由で学校に行かない子の方が多いようですね。
じゃあ毎日学校に行ってれば大丈夫なのかというと、そうでもないんですね。
というのも、学校には行っているが、ほぼ毎日『学校に行きたくない』と感じている
【仮面不登校】は四十四万人にも上っているそうですから、なかなか根深い問題ですよね。
不登校になる原因というのは様々ですが、
超セレブなお金持ちの子供でも不登校になる事はあるようですね。
あるアラブの大富豪の息子が日本の大学に留学してましてね。
日本に来て暫くしてから、父親に手紙を出したんですね。
『親愛なるパパへ。
日本はとても素敵なところで、みんなは優しくしてくれるし、
僕はここが大変に気に入っています。
だけどパパ、僕は学校に純金のフェラーリで通学するのがちょっと恥ずかしくて、
学校に行きたくないよ。
だって先生やクラスメートは、みんな電車を使っているんだから』
この手紙に対して、父親から返信が来ましてね。
『親愛なる息子へ。
今日二千万ドルを、お前の口座に振り込んでおいたよ。
学校に行かないなんて、あまり父さんたちを困らせないで、
さっさと電車を買いに行ってきなさい。愛してるよ。父より』
お金持ちというのは、勘違いも桁外れのようですね。
微笑亭さん太