税ては事を仕損じる
あまりいらっしゃらないと思いますが、
その仕組みや種類を熟知してる方も少ないんじゃないでしょうかね。
そもそも【税金】というのは、国に納める【国税】と、
都道府県や市町村の地方自治体に納める【地方税】に分かれていて、
国税の種類は、所得税や法人税、相続税など25種類あり、
地方税の種類は、住民税や事業税、固定資産税など26種類あるんですね。
消費税というのは8%ですが、
それは国税の6・3%分と、地方税の1・7%分を合わせて8%になってるわけですね。
こうして内訳を知ってみると、税金を払う事にも張り合いが出てきますよね。
・・・出てきませんかね?
「仕事をすれば所得税、親が亡くなれば相続税、物を買えば消費税、
何をやっても税金を取られて、こっちは青息吐息だよ・・・」
こういう方は肩で息してるんでしょうね・・・【ゼイ、ゼイ】って。
今年、消費税が8%から10%に上がりましたが、
その時に導入された【軽減税率制度】というのが判りにくくて、
色々と戸惑いや混乱があるようですね。
軽減税率制度は、お酒や外食を除いた食べ物、
飲み物や、定期購読の新聞の税率を8%のままに据え置く制度の事なんですね。
ただ飲食料品は持ち帰りするだけなら8%なんですが、
店で飲み食いすると10%になるというのが、話をややこしくしてるんですね。
店内で飲食をするのと
持ち帰りがハッキリと分かれている店は簡単なんですが、
例えば『屋台のたこ焼きを近くのベンチで食べる時』などといったケースの場合、
税率の判断が難しいんですね。
政府の見解では【屋台の店主が置いたベンチ】で食べるなら10%なんですが、
【離れたところにある公園などの公共のベンチ】まで
持っていって食べるなら8%になるわけですね。
しかし【少し離れた近隣ビルのベンチ】でたこ焼きを食べた場合、
屋台の店主とビル管理者の間で『ビルのベンチを使って食べていい』
というような暗黙の合意があれば、これは10%になるという・・・
これは、難関大学の入試問題並みに難しいですよ。
「じゃあさ~、私たちが遊園地に行って
クレープとかタピオカミルクティーを買って、食べ歩きする場合はどうなるの?」
「それは~、売店が設置したベンチで食べてるわけじゃないから、
8%に決まってんじゃん」
「え~、じゃあさ、じゃあさ、
歩きながら食べてて、途中でベンチに座ったらどうなるの~?」
「それはもちろん、10%じゃん」
「え~、立って食べてたら8%で、座って食べたら10%って事?」
「そうそう」
「立って食べてて途中で座ったら、間を取って9%にすればいいのに」
「そういうわけにはいかないんだよ」
「じゃあさ、食べ歩きの最中に気分が悪くなってベンチに座ったら、
その時点で脱税じゃん。マジありえないんですけど~」
てな会話が、女の子たちの間で交わされてるというくらい、判りにくい税率ですよね。
「もうこんなに判りにくいんだったら、
店内飲食だろうがお持ち帰りだろうが、みんな10%でいいよ」
こんな声が国民の間から上がる事を、政府は見越してるのかもしれませんね。
「女性が使う生理用品の消費税も10%に値上がりしますが、
生理痛がひどい方に限っては8%でお売りします」
「そうなんですか?これも軽減税率ですか?」
「いえ、【経験生理痛】です」
この税率の違いも混乱を招きそうですね。
微笑亭さん太