愛らしき害獣
ちょっとした不注意から起こってしまう事がありますが、
動物が原因の火事なんてパターンもあるようですね。
先日、神奈川県厚木市の男性会社員が住む
木造二階建て住宅が火事になりましてね。
約一時間後に消し止められたんですが、二階の一部が焼け、
消火をしようとした男性が煙を吸い、救急搬送されたんですね。
その男性が言うには『アライグマが家に入り込んでうるさいので、
火を使って追い出そうとした』と話してまして、
要はアライグマが原因で火事になったという事になるわけで、
ちょっとした【かちかち山】ですよね。
追い出そうとした男性はケガをしたんですが、
アライグマは無傷で逃げたわけですので、
【アライグマ助カル】という事ですよね。
厚木市によると二〇一八年度は、
アライグマの目撃や相談が約十件、市に寄せられたという事で、
市は捕獲許可の申請を受け付け、罠を貸し出すなどしているそうですね。
「アライグマを追い出そうとして火事になってしまうなんて、災難でしたね」
「いえ、家が燃えたせいで焦げ臭くなったので、
そのお陰でアライグマが寄りつかなくなりました」
これはまあ、結果オーライという事になるんでしょうかね。
見た目は可愛くても、紛れもなく害獣である特定外来生物、
アライグマの被害に困っているところは他にもありまして、
北海道の新十津川町では、アライグマの捕獲数が急増しているそうですね。
町内での農業被害が増加しているため、町は箱罠を増やしたり、
捕獲者に報奨金を出すなど対策を強化してましてね。
町内でアライグマを捕獲して、町役場に町民が持ち込めば、
一匹につき千六百円もらえるそうでしてね。
頑張れば、ちょっとした小遣い稼ぎになりますよね。
町民の方々にしてみれば、お金がもらえる上に害獣が減るとなれば一石二鳥ですよね。
「アライグマ、捕まえて持ってきましたよ」
「おや、またあなたですか。
あなた、アライグマを捕まえるのがお上手ですね。どうやって捕まえるんですか?」
「な~に、簡単ですよ。
水辺にね、綿菓子をいっぱい吊るしておくんです」
「綿菓子?どういう事ですか?」
「アライグマがその綿菓子を水に入れて洗おうとすると、
一瞬で消えてなくなっちゃうでしょう?
それを見て唖然としているところを、後ろから行って捕まえるだけです」
本当にそれで、うまくいくのかどうかは判りませんけどね。
でも、報奨金を出すというのは、いい方法ですよね。
「ウチの町でも、アライグマの被害に困っていて、
アライグマを捕まえた人に役場が報奨金を出す事にしたんですよ」
「なるほど。じゃあ、さぞやアライグマは減ったんでしょうね?」
「それが報奨金目当てに、
アライグマを繁殖させて持ち込む人が続出しましてね・・・
増やし過ぎた人が手に負えなくなって野山に放したもんですから、
かえってアライグマが増えちゃったんですよ」
こういう事態にならないように、気をつけないといけませんね。
微笑亭さん太