束になってかかってこい!
初任給で母親に何かを買ってあげようなどと
計画を立てていた人もいるんじゃないですかね。
自分でお金を稼ぐようになると、
お金のありがたみというのも判ってくるんでしょうね。
「ウチの彼氏ってさ、めちゃめちゃヤキモチ焼きなんだよ」
「そうなの?どんな風に?」
「いつも『お前が俺以外の男の写真を持ってるのは我慢ならないから、
これは俺が預かっておくね』って言って、そういうのをみんな持ってっちゃうの」
「男の写真?あんた、他の男の写真なんて持ち歩いてるの?誰の写真?」
「福沢諭吉」
「万札じゃん、それ!」
こういう子は自分が貢がされてても、
気がつかなかったりするんでしょうね。
福沢諭吉、樋口一葉、野口英世でお馴染みのお札の顔が、
二十年ぶりに刷新されるようですね。
新しい顔になるのは、渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の三人でして、
流通し始めるのは二〇二四年からだそうですね。
お札は偽札防止の目的から、定期的に顔が新しくなったりするわけですが、
慣れるまでには暫く時間がかかりそうですね。
「新しい紙幣は使ってみないと使い心地が判らないと思いますので、
国民一人一人に、お札一種類につき十枚ずつ配布します」
二〇二四年の政府から、そんなお達しが出たら、
支持率は限りなく百%に近づくんじゃないですかね。
お札の顔は何年かごとに変わりますから、
当然また変わる事があるわけです。
「次にお札の顔が変わるとしたら、どんな偉人の顔になるかな?」
「そうだな。今回のは割と新しい時代の人ばかりだから、
次回はもっと古い平安時代の武将なんかどうかな。
【平清盛】なんていいんじゃないか?」
「平清盛?お札の顔が清盛だと、友達や後輩にごちそうしてばかりになりそうだな」
「どうして?」
「すぐに、【おごり】たくなるだろ?」
「なるほど。じゃあ、忠臣蔵の【浅野内匠頭】はどう?」
「浅野内匠頭のお札だと、お金を払う時に使いにくいかもしれないね」
「使いにくい?」
「うん、財布から【出んちゅうでござる】」
「あ~そういう事ね。
それはお札が出てくるまで【待つの廊下】だね。
じゃあ大河ドラマにもなる事だし、【明智光秀】がいいんじゃない?」
「明智光秀は最悪だよ。出費が多くなる」
「どうして?」
「光秀のお札は財布の中に【三日】しか入ってないと思うから」
その時にはまた、誰がお札の顔になるのか非常に楽しみですね。
微笑亭さん太