恐怖症になるおそれ
高いところが苦手の高所恐怖症だとか、
狭いところが苦手な閉所恐怖症というのは有名ですよね。
「俺にも恐怖症があってさ、見ただけで震えが止まらなくなる事があるんだよ」
「へえ~、何を見ると震えるの?」
「ウチのカミさん」
様々な恐怖症の中で、ほとんど知られていない恐怖症として
【長い単語恐怖症】というのがありましてね。
これはその名の通り、長い単語に対して
恐怖を抱くという恐怖症ですね。
小さい頃などに、
『長い単語を発音した際、周囲に笑われ恥をかいた』とか、
『その際に自分が震えている事を認識した』といった経験が
きっかけになる事が多いそうですね。
この恐怖症にかかってしまうと、長い単語に対して苦手意識が芽生え、
考えたり見たりするだけでネガティブなイメージがわいて、
ひどい時には、激しい不安を感じたり、
パニックになってしまったりするそうですね。
「あなた、長い単語恐怖症だと伺いましたが」
「はい、そうです。長い単語が怖くて仕方がありません」
「そうですか。長い単語恐怖症というのは、
長い単語を発音した際、周囲に笑われたりした事が原因になるそうですが、
そんな経験がありましたか?」
「あります。以前、落研に入っていて、
高座で【寿限無】をやったんですけど、
その時、客席の大勢の人たちに笑われて・・・」
そういう発症のパターンもあるかもしれませんね。
変わった恐怖症というのは、探せばまだ他にも色々あるでしょうね。
「俺の知り合いでね、【白紙恐怖症】って奴がいるんだよ?」
「白紙恐怖症?何それ?」
「何も書かれてない白い紙とか、とにかく真っ白な物が怖いんだね。
だからスピーチとか頼まれると、その場で脂汗をかいて倒れちゃうんだよね」
「どうして?」
「緊張のあまり、頭の中が【真っ白】になっちゃうからだよ。
あと会社で会議なんかしてても、時々気を失う事があるんだよ」
「会議中に?」
「うん。ず~っと議論をしてきて結局振り出しに戻ったりすると
【議論が白紙に戻った】という事でね」
「そんなに白い物が怖いんだね」
「だからトイレに入っても、トイレットペーパーは
【花柄】しか受けつけないんだってさ」
結構面倒くさい恐怖症だったりしましてね。
微笑亭さん太