卵が先か、安値が先か?
『飛べない豚は、ただの豚だ』というセリフが流行語になりましたが、
最近の食肉業界では『食べない豚は、病気の豚だ』というくらい、
豚コレラの流行に戦々恐々としてますよね。
豚コレラにかかった豚の肉を人間が食べても影響ないという事なのに、
全てを殺処分しなければならない業者の方々は、
本当に辛い思いをされてると思いますね。
昔から【物価の優等生】と言われてきたのが【鶏卵】ですよね。
小売価格がほとんど変わらず、庶民の味方の食材としては、
常にトップランナーという印象があります。
これは消費者にとってはありがたい事ですが、
販売する側にとっては、そうでもないという事があるようですね。
今年に入ってから、鶏卵価格が十五年ぶりの安値となり、
養鶏業者の経営を圧迫してましてね。
その背景には潤沢な生産量があるんですね。
二〇一五年に高値になった事を受け、
大規模経営体を中心に増産に転じたんですね。
その結果、供給過多になってしまっていて、
需要が追いついていない状況になっちゃってるわけです。
これでは【物価の優等生】もグレそうですよね。
ですから養鶏業者の方々は、ヤケ酒を飲む機会が増えてるそうでして、
飲みに行くといつも、カラオケで歌ってるそうですね。
「♪養鶏な~ ものなどないよね~」
歌手の名前は【チャボ&農家】だそうですけどね。
養鶏業者を元気づけるためには、
卵がもっと重要な扱いをされるようになるのが一番でしょうから、
卵を通貨として使うようにしたらどうでしょうかね。
円(エン)から、卵(ラン)に移行するわけでして、卵がお金代わりになるわけですね。
「すみません、このあたりに養鶏場はありませんか?」
「養鶏場?・・・あ~、造幣局ね」
養鶏場は【造幣局】と呼ばれるようになりましてね。
そうなると、お金持ちが夜のクラブで豪遊する時には、
リアカーに卵を積んで持ち歩くわけですね。
「・・・このあたりの繁華街は、随分と目玉焼きや玉子酒を売る店が多いね。
何ていう街なの?」
「ええ、【半熟歌舞伎町】です」
お札に【偽札】があるように、卵にも【偽卵】が出回りましてね。
受け取った卵を割ってみたら、中身が空っぽの偽卵でして・・・
中も外も【カラ】だったりするわけですね。
「お母さん、遅刻しちゃうよ。朝御飯まだ?」
「時間ないから、【お金かけご飯】でも食べていきなさい」
日本の朝の食卓が、凄くゴージャスな感じになるんでしょうね。
微笑亭さん太