『風呂敷』考
ご覧になられた方はあるでしょうか。
あらすじ↓
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_be89.html
私は落研の一年生の時に
古今亭志ん朝師匠のテープを聞き、その面白さに衝撃を受け
『是非やりたい!』と、即思いました。
一年生では、まだやってはいけない難しいネタでしたので、
落研の先輩から許可が下りるわけはありません。
ですからこっそり覚えて、先輩方には内緒で
とある寄席で、勝手にかけてしまいました。
・・もう時効だから言いましたが(笑)
何度か自分でかけてはいるんですが、
なかなかウケに結びつかない、
とても難しいネタであるという認識は、今でも変わりありません。
この『風呂敷』というネタ、
私の中では、とても大きな疑問が一つあるのです。
というのも、
主人公の『兄貴分』は、押入れの前に居座る酔っ払い男の頭から風呂敷をかけ、
目隠し状態にして、押入れの中の男を逃がすというのが、この噺の眼目です。
その風呂敷をかぶせる口実として、
「今、脇で揉め事を一件、収めてきたから」と、
そのやり方の説明と称して風呂敷をかぶせるわけです。
いわば、解決法の再現を見せているわけで、それはよく判ります。
ところがその後、酔っ払い男に、
「じゃあ、その揉め事の時には、どういう口実で風呂敷をかぶせたんだ?」と聞かれた場合、
兄貴分は、どう答えたんでしょうね?
そこに、このやり方の破綻が潜んでるのではないかと、
それが気になって仕方がないのです。
『落語に、そんな野暮なツッコミをするもんじゃないよ』
と言われれば、それまでなんですが、
これが、落研の一年生の時から、ず~っと疑問に思ってる事なんですよね~。
微笑亭さん太