決して切れない人たち
否定できなくなってきてます。
医者や裁判官などエリート職業が
AIに取って変わられようとしていますが、そんな中で、
「あたしたちだけは、どんなに人工知能が進んだって、失業したりしないよ」
と自信満々に仰る女性がいましてね・・・
やはり春を売っている方々は強いという事なんでしょうかね。
ロボットといえば昔は、
与えられた仕事を黙々とこなすだけのようなイメージでしたが、
今は人間とコミュニケーションを取る事ができるロボットが増えてきてますよね。
しかしこういった
『人間のようにコミュニケーションを取る事ができるロボットを、
ロボットとして扱う事』は、とても難しいという事が、
最新の研究で明らかになってきたそうですね。
ドイツの研究者たちが八十九人のボランティアを集め、
【NAO】という小さなヒューマノイドロボットの助けを借りながら、
一対一で指定の作業を行ってもらったんですね。
その作業中NAOに
『パスタとピザのどちらが好き?』などの質問を幾つか、
被験者たちに投げかけさせたんですね。
そして作業が終了した後、被験者に
『ロボットの電源を切ってください』と頼み、
どれだけの被験者が電源を切る事ができるかを調べたんですが、
被験者のうち半分の人にはNAOが
『止めて!お願い!ボクの電源を切らないで!』と懇願するようにさせたんですね。
するとNAOの言葉を聞いた四十三人の被験者のうち十三人は、
最後まで電源を切る事ができず、残りの三十人も
NAOの訴えを聞かなかった人たちに比べると、
平均で二倍も電源をオフにするのに時間がかかったそうですね。
被験者たちの反応を受け、研究チームは
『コミュニケーションにより人々はロボットを機械としてではなく
現実の人間として扱う傾向があり、懇願により電源を消す事をやめるか、
少なくともその行動について深く考えるようになる』と結論づけているようですね。
コミュニケーションを取ると、
仲間意識が芽生えちゃうのかもしれませんね。
「ほ~ら、切るよ・・・電源切っちゃうよ」
「止めて!お願い!ボクの電源を切らないで!」
「ハッハッハッ・・・いっちょ前に機械が命乞いしてるよ。
さあ、切るぞ~」
「止めて!お願い!僕の電源を切らないで!」
「喚け!もっと喚け!ひざまずいて命乞いしろ!」
「やめて!お願い!僕の電源を切らないで!」
「さあ、本当に切るぞ・・・切っちゃうぞ~」
多分こんな会話が繰り返されて、切るまでに時間がかかるんでしょうね。
「やはり機械といえど、
『切らないで!』と懇願されたら、スイッチは切れないよね」
「そうそう。
このまま切らなかったら、さらに面白い動きをするんじゃないかと思って、
ワクワクして切れないよね」
切らない理由は、人によってまちまちだったりするようですね。
微笑亭さん太