相談いっちゃいけねえ
彼氏が浮気してると判ったら、
彼女としてはショックですよね。
誰かに相談したくなる気持ちも判ります。
元号が平成から変わろうとしている今ですが、
明治民法の家制度では、女性、特に
【お嫁さん】は忍従を強いられてきたわけですね。
女性にだけ貞操を守る事が求められ、
男性はそうでないという、二重基準に苦しめられたんですね。
それが戦後、民法が改正され、
憲法も『夫婦が同等の権利を有する』と明記し、
ようやく女性の権利が重視されたという歴史的背景があります。
そういう歴史を踏まえて、人生相談などの回答を見ると、
その時代の特徴がよく出ている事が判りますね。
夫の浮気について、戦前の回答例を見ると
『静かにして時を待つ他はありますまい』とか
『あなたは、今までよりもっともっと、誠意を持ってご主人にお仕えなさい』
といった【耐える基準】の回答がほとんどですが、
ここ数年のを見ると
『夫への愛が自分にあるのか無いのか見極めて、
あるのなら夫を取り戻し、無いのなら捨てましょう』といった、
実にドライで合理的になってきてるんですね。
女性が虐げられるだけの存在では
なくなっていく変遷が、よく判りますよね。
浮気の問題と
双璧とも言うべき永遠のテーマが、
【嫁姑問題】ですよね。
これも人生相談の回答例を見ると、
戦前は『あなたも辛いでしょうが、お姑さんに一層尽くしてください。
必ずお姑さんの心持ちが解ける時があると思います』なんという、
【耐え忍びモード】全開なんですが、
これが近年になると
『母親離れができていない男を一人前の父親に仕立てるには、
妻、そして母である女がしっかりする他はありません』と、
【バトルモード】を薦めているわけですね。
ケンカ上等!というところでしょうか。
嫁姑問題の類は、
お互いの受け取り方の問題もあると思うんですけどね。
「お宅の娘さんのお婿さんは、どんな方ですか?」
「ウチの娘婿は、申し分のない婿でね。
娘を朝遅くまで寝かせておいてくれますし、
美容院には毎日欠かさずに行かせてくれる上、
料理もしなくていいって言って、毎晩レストランへ行こうって言うんですよ」
「それは素晴らしいですね。
・・・ところで、お宅の息子さんのお嫁さんは、
どういう方ですか?」
「息子の嫁は、どうしようもない怠け者でね。
朝は遅くまで起きようとしないし、
毎日無駄に美容院に出かけるわ、
その上、料理をしようという気もないんですよ。
だから息子は、三度三度、レストランで
食事をしなくちゃいけないんですよ」
・・・やはり、受け取り方の問題が大きい気がしますね。
微笑亭さん太