ロング、ロング、青~
そんな時は、通りすがりの方に目的の場所への行き方を尋ねるなんて事もありますが、
最短距離での行き方を教えてくれる方だと、ありがたいですよね。
「すみません、市民病院へ行くには、どうしたらいいでしょうか?」
「市民病院?ああ、それでしたら、そこの交差点の赤信号を渡ってごらんなさい」
言われた通りに渡ってみたら、車に撥ね飛ばされて、救急車が来て、
すぐに市民病院に運ばれたって話がありましてね・・
これは間違いなく『最短距離』ですよね。
昭和の頃に書かれた子供向けの雑誌なんか見ると、
どれも21世紀には、車が空中に張り巡らされた
透明なチューブの中を走ってたりする未来が描かれてますが、
21世紀に入って18年経つ2019年の現在でも、
透明なチューブができる気配は全くありませんよね。
相変わらず車は地面の上を走り、
日々交通事故というのが起きてたりします。
高齢者が巻き込まれる事故というのも多いんですが、
その原因のひとつとして、青信号の間に幅員の広い道路を渡りきれず、
車にはねられるなんてパターンがあります。
そういった事故を防ぐために、
横断歩道に歩行者を自動認識するカメラを設置し、
信号の青色表示時間を延長させるシステムを
導入する自治体があるようですね。
これは横断歩道の両側にカメラが1台ずつ設置され、
歩行者を認識すると歩くスピードを計測し、
渡り終わるまでの時間を瞬時に計算するんですね。
そして1秒単位で青信号の時間の延長が可能で、
最大18秒まで延長されるんだそうですね。
それくらい延長されれば、
今まで渡りきれなかったお年寄りが、
ちゃんと渡りきれるという事はあると思うんですが、
その18秒の間に、新たなお年寄りが
渡り始めちゃうリスクがあるという事は・・言っちゃいけないんでしょうね。
でも、そういう『融通のきく信号』というのは便利でいいですよね。
意地悪なお姑さんが渡り始めたら、
ちょうど真ん中まで行ったあたりで、
何の前触れもなく突然赤信号に変わるとか、
信号待ちの若い女の子が軽くミニスカートをチラッとめくると、
即座に青になる信号とかは、妙に人間ぽくていいですよね。
中には、顔色の悪い人が立つと青になって、
いつでも渡れる信号がありましてね。
どうしてかな~と思って聞いてみると、
「私ね、長い事肝臓を患ってるもんですから、黄疸(横断)ができるんですよ」
信号は言うまでもなく『青・黄・赤』の三色ですが、
もっと他に色んな色があったらカラフルでいいですよね。
数ある色の中で、その色に応じた立場の人だけが渡れる信号なんですね。
ケンカして顔にアザのある人は『紫』が点いた時に渡るとか、
警察に容疑者として捕まったけど
証拠不十分で釈放された人は『灰色』で渡るとか、
88歳の人は『ベージュ』で渡るとか、
加藤さんは『茶』で渡るという感じですね。
中で、色んな色に見える、
よく判らない色で渡ってる人がいるもんですから、
職業を聞いてみたら『政治家』でしてね。
やはり政治家は、いついかなる時も『玉虫色』が好きなんでしょうね。
微笑亭さん太