目の敵
人の視線というのは、そちらの方を向いてなくても
感じたりする事がありますよね。
街中を歩いてる時でも、
「・・・あ、何だか、凄く見られてる気がする。
ひょっとしたら、可愛い女の子が俺に、
アツい視線を送ってきてるのかな・・・」
「・・・あの~すみません」
『キター!』と思って笑顔で振り向いたら、
お巡りさんに職務質問されたって話がありましてね・・・
大体、そんなもんですよね。
人の視線が苦手だという方もいらっしゃいますが、
その傾向は若者ほど強いようですね。
十代、二十代の男女のおよそ七割が、
他者の視線をストレスと感じている事が判ったそうですね。
これは化粧品メーカーの【マンダム】が
十五歳~五十九歳の男女千人以上を対象に、
ネット上で調査を実施した結果判った事でしてね。
【他者の視線にストレスを感じたことがありますか?】との質問に、
全世代の五十六・五%が【とてもある】【たまにある】と答えていて、
十代、二十代の若者は、それらの合計が六十七・六%に達したんですね。
また若者の六十一・八%が
【他者の視線が怖いと感じたことがある】と回答していて、
三十~五十代よりも、約二十五ポイントも上回ったんですね。
特に若い女性ほど怖いと感じる傾向にあり、
十代女性では約四割が【とてもよくある】と答えたそうですね。
この原因については、
直接対面しないインターネット交流サイト、
SNSを通じたコミュニケーションの浸透が
影響している可能性があると分析されていて、
最近の若者は【会った事もない親しい友達】が、
どんどん増えているんでしょうね。
「俺は人の視線が怖くてね。いつも見られてる気がするんだよ」
「何言ってんだよ。自分で思ってるほど、人はこちらの事を気にしてないよ」
「そんな事ないって!
それが証拠に、いつもいつも、他人と視線が合っちゃうんだよ」
「それはお前が他人を見ているから合うんだよ」
「中華料理屋に入っても、麻婆豆腐やエビチリが、こちらを見てくる気がするんだよ」
「どうして?」
「四川(視線)料理だから」
「くだらない事言ってんじゃないよ」
「もう俺明日から、目隠しして生活しよう」
こんな若者が増殖していくかもしれませんね。
そうなってくると、
顔を見られないようにという事で、
顔全体がスッポリ隠れるマスクを被って生活する人が増えてきましてね。
居酒屋に入ったら、全員タイガーマスクが飲んでるなんて光景も
ありえるんじゃないでしょうかね。
微笑亭さん太