お客さんを乗せるのがうまいね~
飲んだ後、タクシーを利用される方も多いでしょうね。
日本には数多くの企業が存在しますが、
各企業が利益を増やそうと、それぞれ頑張ってるわけです。
中には独自のサービスでお客さんを
呼び込もうと工夫しているところがありますね。
東京や神奈川、埼玉などで営業をしている
【三和交通】というタクシー会社があります。
一九六五年に設立され、本社は横浜なんですが、
このタクシー会社が、なかなかユニークなサービスを行っている事で知られてるんですね。
三和交通の行っているサービスというのは、
様々な企画物のタクシーを走らせているという事なんですね。
その中のひとつに【タートルタクシー】なんてのがありましてね。
これはお客さんがタクシーに乗ると、
後部座席にボタンが用意されていて、そのスイッチを押すと
『そんなに急いでいません』という意思表示をした事になり、
通常よりも遅く走るというサービスなんですね。
景色をゆっくり見たいという人には、良いサービスかもしれませんね。
それから【心霊スポット巡礼ツアー】なんてのもありましてね。
これはタクシーの運転手さんが、
各地の心霊スポットを紹介するというサービスでして、
毎回、抽選になるという大人気企画だそうですね。
「・・・お客さん、ここが赤ん坊を抱いた女の霊が出るという沼ですよ」
「えっ、そうなんですか!?」
「そしてここが、夜な夜な車椅子を押す、
血まみれのナースが出没するという病院です」
「うわぁ・・・それは怖いですね・・・」
「そこにあるボロボロの建物が、
資金繰りがうまくいかなくて、追い詰められて自殺した経営者の、
首なしの幽霊が出る廃ホテルですよ・・・
怖いでしょう?・・・お客さん?お客さん?」
運転手が後ろを振り返ると、誰もいなくて
シートがグッショリ濡れてたりしましてね・・・。
政府の要人になったような気分に浸りたい方には
【SP風タクシー】なんてのもありましてね。
これは料金を千円追加すると、運転手さんがSP風になってくれるんですね。
ハードボイルドな雰囲気になって耳にはインカムケーブルを付け、
拳銃を携帯してたりするんですね。
と言っても、インカムはどこにも繋がってないし、
拳銃は水鉄砲なんですけどね。
SPという設定のため
『八割以上の質問には答えられない』という事なんですが、
実際に聞くと、大抵の事には答えてくれるという、
結構ゆる~い感じのSPだったりするんですね。
時代劇なんかがお好きな方には
【忍者タクシー】なんてのがありましてね。
これも料金を千円追加すると、運転手さんが忍者になってくれるんですね。
言葉遣いから格好から、全て忍者になるので、行き先を告げると、
「目指すは渋谷でござるな?承知仕った。忍法、送迎の術!」
なんてな事を言って車を出してくれるんでしょうね。
目的地へ着いて料金を請求した途端、
お客が全速力で逃げて行きましてね・・・
お客さんの方に【ドロン】されてしまったりしないように、
気を付けないといけませんね。
微笑亭さん太