生まれながらのハンデ
ワクワクしながら楽しみに待ったものですが、
ある年齢を境に『誕生日って、一回パスできないかな・・・』
なんてな事を思い始めたりしますよね。
毎年『お前、また一つジジイになったぜ!』と宣告を受けてるみたいで、
あまり歓迎すべき日ではなくなっていきますよね。
日本の学校制度というのは四月から新学期が始まるわけですが、
一月から三月の間に生まれた子たちを【早生まれ】と言ったりしますよね。
ただこれ正確に言うと【四月一日生まれ】までが早生まれに含まれます。
なぜ三月三十一日じゃなくて四月一日なのかという疑問があるわけですが、
教育基本法では『満六歳になった翌日以降で
最初に迎える四月一日に、小学校に入学する』とされてるんですね。
そして年齢というのは生まれた日を一日目として計算するため、
満六歳となるのは【誕生日の前日】という事になるため、
こんなややこしい事になるわけですね。
いい加減、三月三十一日で線引きすればいいと思うんですが、
いつまでも法律改正ができない国に対して四月一日生まれの方々は
『四月馬鹿!』と言いたくなるでしょうね。
同じ学年に属していても、四月生まれと翌年三月生まれでは、
生まれ月に約一年の差ができる事になります。
特に幼稚園児や小学生の間は、一年の差はとてつもなく大きくて、
体格はもちろんのこと、情緒や精神面での発達にも大きな差があるのは確実ですね。
同じ学年での実年齢の違いは【相対年齢】と呼ばれてましてね。
日本の場合だと四月生まれの生徒は相対年齢が高く、
翌年三月生まれの生徒は相対年齢が低いという事になります。
この相対年齢の高低が
スポーツでのパフォーマンスや学力に与える影響については、
多くの研究が行われてきて、イギリスとオランダのサッカー選手には
相対年齢が高い者が多い事を示す研究は有名なんですね。
そして、世界中の国々のプロスポーツ選手についても、
同様の傾向が認められているそうですね。
やはり小さい時の一年の差は大きいですから、
小学校時代には、目に見えて判りやすい形でのハンデをつけるべきですよね。
「早生まれの広瀬君は、色々と優遇されてていいな~」
「でしょう?テストなんかね、二問に一問、答えが書かれてあるからね」
「それって、何もしなくても五十点取れるよね」
「この間の運動会の百メートル走も楽だったな~」
「そりゃそうだよ。
君だけスタートが八十メートル地点だからね。
ウサイン・ボルトでも君には勝てないよ。
あと騎馬戦では君だけ、本物の馬に乗ってたしね」
「あ、そろそろ、給食の時間だ。
今日のメニューは何だろ?楽しみだな~」
「いいな~、君の給食だけ、三ツ星シェフが作ってくれるんだからね」
これだけ優遇されれば、早生まれも悪くないですよね。
微笑亭さん太