かりそ目?
世の中には磨く事を仕事にされている方々がいらっしゃいます。
そんな磨き職人とも呼ぶべき人たちの中で、
とりわけ優秀な技術を持っているのが
【義眼】を磨く人なんだそうですね。
本物と見紛うような義眼を作るには、
相当な技術が必要ですから、
彼らは毎日、義眼を磨くついでに、
技術も磨いているわけですね。
人間にとって目は大切なものですが、
視神経の異常により徐々に視野が欠けていく【緑内障】という病気があります。
失明の危険がありながら根治する治療法もない厄介な病気ですが、
進行を抑えるための装置を目に埋め込む
【インプラント手術】というのがありましてね。
目に異物を埋め込むというのは、
聞いただけで怖くて拒否反応がありそうですが、
実際に受けてみると痛みもなくて、
異物が入っているような感覚もないという方がほとんどのようですね。
「目に異物を埋め込むなんて、
最初は痛そうで怖かったんですけど、
今は手術を受けてよかったと思います。
私を失明の危機から救ってくれた装置の事が愛おしくて、
目の中に入れても痛くないです」
喜んでいる方も沢山いるようですね。
ただ、この手術の対象となる症状は今のところ限られていて、
全ての眼病に適用されるわけではないというのがネックなんですね。
そんなインプラント手術を受けたくても受けられない人たちには朗報なんですが、
アメリカのミネソタ大学のエンジニアチームが、
3D印刷による【合成眼球】のプロトタイプの開発に成功したそうですね。
この合成眼球は、光を拾える光検出器を備えていて、
これを用いる事で、広い視野で、かつ感度の高い画像検出が
可能となるという画期的なものなんですね。
この義眼が実用化されて一般発売されたら、
店先には鬼太郎のオヤジさんみたいなのが
ズラ~ッと並ぶ事になるわけですね。
当然、目の病に苦しむ人たちは喜ぶでしょうね。
「俺もさ、最近目が悪くなっちゃったから、その義眼を使ってみようかな」
なんてんで買いに行ったら、売ってくれなかったんですね。
「何で売ってくれないの?」って聞いたら
「【義眼限定商品】です」なんてな事を言われたって話がありましてね。
こういう義眼の技術が進んでいって
【録画機能】とかついたりすると大変ですよね。
その義眼をして、風俗店とかに行く男性が激増するでしょうから、
その手のお店の前には『義眼の方、お断り』なんてんで、
タトゥーと同じような扱いを受ける事になるでしょうね。
「この間さ、義眼を外して置いといたんだよ。
そうしたら、その場を離れた僅かな時間に盗まれちゃったんだよ」
「へえ~、お前の目を盗んで、お前の目が盗まれたんだな」
こういう窃盗犯が持ち主に見つかると、きっと、目に物を見せられるんでしょうね。
微笑亭さん太