ジョージ使うお札
アメリカの一ドル札には、初代大統領である
【ジョージ・ワシントン】の顔が描かれています。
ただこの顔、口を真一文字に結んで、
やや硬い表情をしているんですが、
何で笑顔じゃなくてこんな表情をしているのか、
疑問に思われた方もあるかもしれません。
別にワシントンが少年時代に切り倒した
桜の木の呪いであんな顔になっているのではなくて、
実はこの顔は、口から入れ歯が飛び出さないようにしているんだそうですね。
ジョージ・ワシントンは二十代から歯が悪くて、
大統領に就任した五十代後半から総入れ歯を使うようになっていたそうですね。
完全な形で現存している彼の総入れ歯を見ると、
奥歯がなく、代わりにその部分にバネを仕込んだような形状になっていて、
口を開ける時はバネの力で入れ歯が開く一方、
反対に口を閉じる時は、バネに逆らって
食いしばらなければならない構造になっていたんですね。
このようにバネを使ったタイプの総入れ歯は、
口から飛び出してしまうこともあったらしいので、
一ドル紙幣の肖像画のように、口をしっかり閉じて
押さえつけておく必要があったというわけですね。
ちなみに、ワシントンは歯磨きが嫌いだったわけではなく、
歯磨き粉やマウスウォッシュを使って小まめにケアを行っていたようですね。
歯が悪くなった原因としては、遺伝的な要因や、
時代的な背景から十分な栄養を取れる食生活を送る事が
難しかったのではないかと予想されてますね。
「この間、ワシントン大統領が拳銃を持った暴漢に襲われたらしいよ」
「えっ、大丈夫だったの?」
「うん、暴漢の拳銃が発射される前に、
飛び出した大統領の入れ歯が暴漢の顔面にヒットして撃退したらしいね」
こんな事が実際にあったかもしれませんね。
外国人が日本に来てお金を使う場合、
判りにくい硬貨として、皆さん口を揃えて
【五円玉】を上げるそうですね。
なぜかと言えば、
十円玉や百円玉といった硬貨は全部で六種類ありますが、
漢数字のみで額面が表記されているのは五円玉だけだからなんですね。
他の硬貨は全て算用数字も入ってるから、金額が判るんですが、
五円玉は漢数字が読めなくて、いくらか判らないわけです。
五円玉は昭和二十四年に穴あきの黄銅貨として、
【稲、歯車、水】と【双葉】のデザインで誕生したんですが、
そのデザインに関しては、たまたま算用数字のないものが選ばれたのであって、
意図的にそうしたわけではないようですね。
外国人の方にも五円玉に対して親しみを持ってもらうために、
単に通貨として使うだけではなく、別の使い方を考えてみたらどうですかね。
例えば五円玉にさしを通して腰にぶら下げて、
銭形平次みたく投げ銭の武器として使ったりしてね。
「この間、夜道で女の子を襲おうとしている男を投げ銭で撃退したんだよ。
そしたらね、それをきっかけに、その子と付き合うようになったんだよ」
「へえ~、やはりご縁(五円)があったんだね~」
なんてんで、意外な馴れ初めのパターンがありえますよね。
微笑亭さん太