警察にレインコートされていきました
【あなたは二十歳以上ですか?】という年齢確認の
ボタンを押す事が義務付けられてますよね。
杖をついているようなお爺ちゃんでも、
例外なくボタンを押さないといけないわけですが、
これを不快に思う方は結構いらっしゃるようですね。
時にはそれが事件に発展してしまうなんて事がありましてね。
先日兵庫県宝塚市で、コンビニのレジの液晶パネルを壊したとして、
四十六歳の建設作業員の男性が逮捕されましてね。
この男性、宝塚市のコンビニのレジで缶チューハイを購入する際、
店員からレジで二十歳以上であるのを
確認するパネルをタッチするよう求められた事に腹を立て、
【はい】と承諾の表示があるパネルを殴り、
壊した疑いで逮捕されたんですね。
彼は『俺は何回もここで酒を買っているのに、
なんで毎回押さなあかんねん』と話したという事ですが、
キレるよりは画面をタッチした方が、
手間も時間もかからなかったと思うんですけどね。
彼の実年齢は二十歳以上でしたが、
精神年齢が子供だったという事なんでしょうかね。
海外だとお酒を買う場合、販売時間の制限があるとか、
連れを含めて全員のIDを提出しないと
買えないなんて事もざらにあるそうですから、
ボタンを押しただけで買える日本のシステムには、
むしろ感謝すべきなんですけどね。
壊された液晶パネルの画面にはクモの巣状にひびが入り割れていて、
修理には五十万円以上かかるという事ですから、
今頃、彼は自分のしでかした事に後悔してるでしょうね。
「修理費、五十万円か・・・
それだけあったら缶チューハイが何本買えた事か・・・」
反省のベクトルが間違ってますけどね。
取調室で警察官から
【罪を認めますか?】という表示が出された液晶パネルを見せられて
【はい】を押してるんでしょうね。
相変わらず痴漢や下着泥棒などの性犯罪も多いですが、
中には変わった性癖の持ち主というのもいましてね。
駐輪中の自転車から他人の【雨がっぱ】を盗んだとして、
陸上自衛隊朝霞駐屯地に所属の
一等陸曹が逮捕されたなんて事がありましてね。
その後の捜査でその一等陸曹は、
この二年間で雨がっぱばかり約百着以上盗んでいたそうで、
調べに対し『人が持っている雨がっぱに興味があった』と
供述しているという事ですが、雨がっぱの何が彼をかきたてていたのか、
それを聞いてみたい気がしますよね。
彼は最初、容疑を認めてなかったようで、警察官が
「お前がカッパらったんだろ?」と聞くと
「いえ、【濡れ衣】です」
と答えていたそうですが、自室から大量の雨がっぱが出てくるに至って、
言い逃れできないと思い、罪を認めたそうですね・・・
【雨降って容疑固まる】とはこの事ですよね。
この手の事件が起きると、
盗まれた物が体育館にズラ~ッと並べられた映像とかが報道されたりしますが、
その映像を見て『ここにも同志がいる』と涙ぐんでいるマニアが、
日本のどこかにはいるんでしょうね。
「雨がっぱの収集癖があるかどうかって、どうやって見分けるんだろうね?」
「それはね、梅雨に入ると妙にウキウキしだす奴は怪しいね。
そして『嫌いな物は?』って聞かれて『てるてる坊主!』って即答する奴も怪しいね」
「あ~なるほど」
「極めつけは、雨の少ない時期になると、
パプアニューギニアあたりに行って、
シャーマンから雨乞いの技術を学んでくる奴は絶対怪しいね」
まあ、それはそうかもしれませんね。
微笑亭さん太