寄席の携帯事情
台風の影響で、高座の予定が飛んだ方もあるかと思います。
私も、かけもちの営業が飛びました(涙)
【落語家あるある】ではないですが、
自分が高座で落語をやっている最中に、お客さんの携帯が鳴るというのは
経験された事がないという方の方が少ないかもしれませんね。
実際、落語関係の方の日記やブログを見てますと、
『寄席の客席で携帯が鳴った』というエピソードが、
よく書かれていたりします。
何度か寄席に足を運んだ事のある方だったら、
そういう場面に出くわしたりする事も、
一度や二度は、あるんじゃないでしょうかね。
開演前に係員が、
『携帯電話と小さなお子さんのスィッチはお切り下さい』と、
繰り返し注意喚起しても、必ず忘れる方がいらっしゃるんですよね。
携帯が定着した今、噺家も、
そういう事態も想定しておかなければならないでしょうが、
噺が佳境に入って『この噺の、このタイミングでは止めてくれ~』
という所で鳴らされると、これは辛いものがありますよね。
人間ですから、どんなに寄席に慣れた方でも、
うっかり切り忘れるというのはあるでしょう。
ただ問題なのは、『携帯を鳴らしてしまう事』ではなく、
『その後の行動』だと、私は思っています。
鳴った後、『しまった!』という感じで、
すぐさま音を消すとか、席を立って出ていく方というのは、
さほど問題だとは思ってません。
回りのお客さんたちも、
『まあ、許してやろう』的空気になると思います。
ところが中には、
放ったらかしてたり、悠然と電話に出る方なんかがいます。
信じられないんですが、いるんですよね。
こうなると回りのお客さんは、『何考えてんだ、こいつは?』と、
興味が『高座』から『その人の非常識さ』に移っちゃうんですね。
これは演者にとっては、たまったものではありません。
演者は、その15分、20分の高座のために、
膨大な時間を費やして、稽古を重ねてるんですから、
それを着信音一発でぶち壊す事が、
どれだけ残酷な行為かという事を判っていただきたいですね。
もう、口頭での注意だけでは聞かない人がいますから、
実力行使に出るべき時かも知れませんね。
お客さんといえど、携帯を鳴らした人には、
何らかのペナルティを与えるとかね。
「・・見て見て、まだいるよ」
「あ、本当だ。さっき携帯鳴らした人でしょう?」
「携帯持ってホールに立たされてるよ。
大人になってから立たされるのは恥ずかしいよな~」
なんてんで、精神的に来るようなペナルティを与えたいですよね。
微笑亭さん太