骨まで愛して、崇めて
最終的には火葬されて骨になるわけです。
『骨を拾う』などという慣用句もあるように、
遺骨は古くから死者の形見の一つとして大切にされてきました。
最近遺骨はDNA鑑定の貴重な素材になったりもしています。
プレイボーイで鳴らした大富豪が亡くなった後、
雨後の筍のように名乗り出てくる隠し子たちの
真偽を確かめるためには、とても重要なものですからね。
変わったところでは遺骨を粉末状にした遺灰で
死者の遺骨入りのペンダントを作ったり、
フリスビーが大好きだった故人の生前の意志を汲み取って、
遺灰でフリスビーを作らせるなどというのもあるそうですね。
これは残された家族に対して
【家庭円盤】に過ごせというメッセージなんでしょうかね。
「お父さんが元気だった頃、よくこの公園に来て、
ポチをフリスビーで遊ばせてたわね・・・
ポチ、お父さんの遺灰で出来たフリスビーよ。取っておいで!」
そう言いながらフリスビーを投げたら、
犬が一目散に走っていってフリスビーをキャッチすると、
その場でバリバリ食べちゃったりしましてね・・・犬は骨が好きですからね。
平成も終わろうとしている今、
平成時代の中で最も大きな事件の一つと言っても過言ではないのが、
オウム真理教にまつわる一連の事件ですよね。
その首謀者でもあった麻原彰晃こと
松本智津夫元死刑囚の死刑が、先日執行されました。
昔は死刑執行は前夜に伝えられていたんですが、
自殺をする者が現れたため、今は朝に伝えられるそうですね。
今回の場合も朝食後に伝えられたそうでして、
まさに【朝から焼香】になっちゃったわけです。
執行されれば当然火葬されるわけですが、
その遺骨を巡って騒動が起きてましてね。
というのも、彼は刑が執行される間際、
自分の遺骨の引き取り手として
四女を指名したと伝えられているんですが、
それを不服とした三女や妻との間で意見が対立しているわけですね。
彼の遺骨は、
オウムの後継団体にとっては非常に貴重な物で、
それがある場所が【聖地】とされて
崇められるのではないかという危惧も出ています。
「彼の骨はさ、遺灰にして甲子園に撒いたらどうかな」
「甲子園に?どうして?」
「若い信者の連中は聖地にたどり着くために、
一生懸命野球の練習をして
地区予選を勝ち抜くしかないわけだよ。
そのうち、本当に野球の面白さに目覚めて信者を止めるんじゃないかな?」
色んな考え方がありますよね。
遺灰を海に撒くという話もありますが、
海水浴客が激減するのではないかという心配が出てるそうですね。
海で泳いだら信者扱いされるんじゃないかという理由だそうですけどね。
「海に撒きたいんだったらトイレに流せば、
いずれ海に流れ着くんじゃないの?」
「トイレに流したら、トイレの便器が【聖杯】扱いされて、
信者の間で聖杯戦争が起きるぞ」
「それが後に聖杯争奪の
ワールドカップになるかもしれないな・・・【WC】だけに」
平成の事件は、平成の間に決着をつけてもらいたいものですね。
微笑亭さん太