君の瞳に完売
【ダイドー】が発売している【大人のカロリミット・はとむぎブレンド茶】
という商品がありましてね。
食事の糖や脂肪の吸収を抑える
【機能性表示食品】なんですが、先日行われたキャンペーンにおいて、
【エンゼルフレンチなどが必ずもらえる!】と書かれたシールが貼られ、
もれなくドーナツがもらえるというというオマケが付いていたんですね。
痩せたい人間が買う商品に、高カロリーのドーナツが付くという、
これはかなり矛盾したキャンペーンと言えますよね。
「これは、カロリー高めのドーナツを食べても大丈夫というアピールなのかな?」
「いやいや、これを飲んで痩せて、ドーナツを食べて太って、
そしてこれを飲んで痩せて、またドーナツを食べて太ってこれを買うという、
スパイラルに陥らせて永遠に買わせる作戦だよ」
様々な憶測が飛び交ってたようですけど、
こういう商売のやり方もあるんですね。
「この理屈でいったらさ、
【アイドルとの握手券】に【CD】をオマケに付けて売ったら、
売れるんじゃないかな?」
本末転倒とはこの事ですけどね。
テレビショッピングなどを見ていると、商品を紹介した後
『放送終了後三十分以内にお電話いただいた方のみ、五千円キャッシュバック!』とか
『大変お値打ちな商品ですので、おひとり様三箱までとさせていただきます』といった、
購買意欲を煽るような文句が、漏れなく付いてきますよね。
人間そう言われると『早く買わなきゃ!』と思って、
商品の良さをあまり吟味せずに買ってしまうわけですね。
『素早く買って、ゆっくり後悔』というのが
テレビショッピングの定番だったりしますが、
まんまと業者の術中にハマってるという事なんでしょうね。
お店に行って商品が置かれているスペースが空になっていて
【完売御礼!】などという札があったりすると
『この商品は、そんなに売れてるのか・・・
自分も欲しかったな』なんてな事を思ったりしますよね。
【完売御礼】、実に良い響きの言葉に聞こえますが、
セブンイレブン最年少取締役、ampmジャパン社長、ファミリーマート商品本部長を歴任し、
大ヒット商品を作り続けてきた本多利範氏という方は
『完売というのは成功ではなく、失敗だ』と仰ってるんですね。
例えばコンビニの弁当の発注数と販売数が、
ほぼ一致している店があるとすると、これは一見すると、
常に発注した分だけ販売しているため、
【売り切る力】を持った優秀な店のように思えますよね。
しかし真実は【売り切った店】ではなく、
【本当はもっと売れたのに、
発注が足りなかったために売り逃した店】だと言うんですね。
仮に『十個売れるだろう』と予測する弁当があるとしたら、
発注すべき個数は十個ではなく十二個なんだそうですね。
人の心理というものは不思議なもので、
一個だけぽつんと置かれている商品を見ても、
欲しいとは思わないんですね。
ある程度の量で陳列している商品を目にして初めて、
人は欲しいと感じるので、余分に頼む二個は
【必要な廃棄】という事になるんだそうですね。
「商品というのは、ある程度の数があった方が、お客さんが欲しがるんだってさ」
「という事は結婚したい独身女性は、
常に何人かで群れていた方が、もらい手が出やすいという事だよね」
・・・果たしてそういう事なんでしょうかね?
微笑亭さん太