膝が笑いそう
「テレビばかり見てると、バカになっちゃうわよ」
てな事を、母親から言われた経験のある方も
いらっしゃると思います。
その後、自分が成長していい大人になった時、
お婆ちゃんと呼ばれるくらいの年齢になった母親が
一日中テレビを見ていて、
「・・・この健康食品は効きそうだね~」
などと言いながら、ありとあらゆる健康食品を買い漁ってる姿を見ると、
母親も小さい頃テレビばっかり見ていて、
とうとうバカになっちゃったのかな~?
などと思ってしまいますよね。
サプリメントの中で最もポピュラーと言っても過言ではない、
【グルコサミン】という栄養補助食品があります。
【関節の軟骨の維持】や
【膝関節の悩みを改善する効果】があると言われているわけですが、
最近その効用に重大な疑義が生じているようですね。
グルコサミンは機能性表示食品制度に基づくもので、
事業者は科学的根拠の研究データを消費者庁に届け出た上で、
健康効果を表示して売る事ができるんですね。
ところがオランダをはじめとする学者たちが昨年夏、
グルコサミン製品の有効性を総合的に評価した研究報告によると、
膝の痛みや機能の改善に効果があるという
科学的な証拠はなかったんですね。
このため昨年来、
消費者庁への届け出を撤回する業者が続出したんですが、
その撤回の動きを知る消費者は、ほとんどいません。
というのも、大手の食品メーカーがその名称と効果を
いまだ喧伝し続けているので、ネガティブな記事は出しにくいようですね。
「でもさ、うちのお爺ちゃん、
グルコサミンでで膝の痛みが消えて、足が良くなったって言ってるんだよ」
「ああ、ウチのお婆ちゃんも、足が楽になったって言ってるんだよね」
こういう風に、足が良くなると
盲目的に信じてしまう人がいるというのを表しているのが
【人間は考えない足である】という言葉でしょうね。
グルコサミンは、大手の製薬会社が全く手がけてはいません。
「そんなに効果があるんだったら、
ちゃんとした製薬会社が放っておくはずがないよ。
お金になるんだから。
製薬会社の出している物が全て効くわけじゃないけど、
製薬会社が出してすらいない物は、自ずと察しがつくよね」
これは某病理学の先生が言った言葉だそうですけど、
言い得て妙ですよね。
こういう問題のややこしいのは
【効果がある】という断定はできないんですが、
【効果は全くない】とも断定できないグレーゾーンだという事なんでしょうね。
「この間、グルコサミンの売り場を見たら、
『効果があると感じる方は、お買い求めください』って書かれてあったよ」
これが一番妥当な対応なのかもしれませんね。
微笑亭さん太