頼むから、おろしてくれよ
安全に対する意識が非常に高いですから、
事故は滅多に起こらないですが、
諸外国には【事故が起こらない方が不思議】みたいな状況で
運行されている交通機関もありますよね。
乗客が電車の屋根の上に乗っていたり、
窓にぶら下がった状態で走る事で有名なのが、
インドネシアのジャカルタを走る電車でして、
衝撃的な写真や映像をご覧になった方も多いんじゃないですかね。
何であんな乗り方をするのかと思うんですが、
無賃乗車が目的かというと、
中には【スリルを求めて】なんという、心底迷惑な乗客もいるようでしてね。
鉄道会社も、あれを良しとしているわけではなくて、
何とか止めさせようと様々な手を打ってはいるんですね。
「何とか屋根に上るのを止めさせる手はないか?」
「社長、水をかけてみてはいかがでしょう?」
なんてんで最初は【放水】を試みたそうですね。
屋根に上る乗客に向かって水をかけたんですが、最初は効果があったんですね。
「どうだ?放水作戦の成果は?」
「ダメです、社長。レインコートを着てくる乗客が続出して、効果がありません」
「何て奴らだ・・・他に手はないのか?」
「では社長、滑って上れないよう、電車の屋根に油を塗ってみてはどうでしょう?」
今度は油を塗って、ヌルヌル作戦に出たんですね。
「どうだ?今度は効果があったか?」
「それが社長、乗客に対する効果はあったんですが、
車両管理部から電気系統がショートして火事になると怒られました」
「あ~そっちからのダメ出しか~。
もう打つ手はないのか・・・」
「社長、あきらめるのは早いです。
【ゴール・ボール作戦】というのはどうでしょう?」
「ゴール・ボール作戦?何だそれは?」
「線路にサッカーゴールのような枠を設けて、
屋根ギリギリの高さに、重いコンクリートの球を幾つも吊るすんです」
「コンクリートの球を吊るす?
そんな事して、もし当たったら死んじゃうだろ?可哀想じゃないか」
「社長、向こうの心配をしている場合ではありません。
そもそも無賃乗車などのルール違反をしているのは乗客の方なんですから」
「それもそうだな。よし、やってみてくれ」
これも実際にやってみたんですね。
「作戦の成果はどうだった?」
「それが社長、ヘルメットをかぶって乗り続ける猛者が現れまして・・・」
どうしても上がりたい乗客と、下ろしたい鉄道会社との
攻防戦の様相を呈しているわけですが、
これらの出来事がネタではなく、本当に行われたドキュメンタリーだというのが、
インドネシアならではという事なんでしょうね。
微笑亭さん太