普通、わかる事
【普通】という言葉を好む傾向がありますよね。
決して高望みはせず、普通の収入、
普通の暮らしができれば幸せだと感じる方が【普通】ですよね。
日常会話の中で頻繁に使われる【普通】という言葉ですが、
一見当たり障りのない表現としてとらえ頻繁に使う方もいるでしょうが、
結構多様性のある言葉とも言えますね。
例えば人を責めたりする時にも、普通という言葉を使いますよね。
『普通そんな事言う?』とか『普通そんな事する?』などと言う時、
この【普通】は相手の言動への不平不満を表してますよね。
【普通イコール、多くの人が当たり前と感じている事】という意味合いで使い、
自分の思惑どおりでない相手の言動に対し
【普通】という言葉を使う事によって、
自分の立場の正当性を主張しているわけです。
相手への非難をより強める言い方ですから、
普通どころか、かなり攻撃的な意味合いを含んでるわけですね。
そしてまた【普通】と言われると相手は反論しづらいものですね。
その言葉に反発する事によって、
自分の考えが【普通でない事】を認める形になってしまうからですね。
自分が普通だと思うのなら、黙っていなければいけないわけです。
【ノーマル鷹は爪隠す】ってのは、ここから始まったそうですけどね。
あと本来の意味に近いんですが、
今ひとつ感を露呈する【普通】もありますね。
「超面白い映画見に行くって言ってたけど、どうだった?」
「・・・普通だったよ」
この場合、ダメと言っているわけではないんですが、
可もなく不可もなくといった感じを表しているわけですよね。
【受け入れられる範囲だった】と、
相手が好意的にとらえてくれる場合もあるでしょうが、
ともすると【答える気がない】とか【投げやり】と思われるリスクもありますよね。
ご飯をおごってあげた相手に、
「ここの食事、どうだった?」
「・・・普通だね」
なんて言われると、おごった方としては
ちょっと気分を害したりするわけですが、
同じ【普通】という言葉を使っても、全くニュアンスが違う場合がありますね。
「ここの食事どうだった?」
「普通に美味しかったです」
これは今時の若者たちが使う言い回しですが、
この場合は完全に【誉め言葉】として使ってるわけですね。
上司や先輩が下の者に食事をご馳走してこれを言われると、
不機嫌になる方もいますが、この場合の【普通】は
上・中・下の【中】の意味ではなく
【誇張でも何でもなく素直に】の意味で言っているわけですね。
ですから感想を聞いた側も、普通に喜んでいいわけですよ。
ただ人間というのは、ポロッと本音が出てしまうという事があります。
嫌な上司に食事に誘われて仕方なく付き合って、その後、
「ここの食事どうだった?」と聞かれて
「苦痛に美味しかったです」
と答えちゃったという話がありますが・・・言葉というのは怖いものですよね。
微笑亭さん太