忖度という名の文化
それ以来すっかり市民権を得たのか、
昔に比べて随分と使われる頻度が上がりましたよね。
モリカケ問題が再燃している今、
本家本元の国会の方でも、また再び耳にするようになりました。
忖度というのは【他人の心情を推し量る事】
また【推し量って相手に配慮する事】なわけでして
【忖】と【度】、いずれの文字も【はかる】の意味を含んでるんですね。
いかにも日本人らしいというか、
日本人気質を理解しやすい言葉のような気がしますよね。
「日本の政治の世界では【忖度】という言葉が盛んに使われているみたいだけど、
あの忖度というのは、どういう意味なんだい?」
外国の方に英語でこの手の質問をされて、
答えに窮したという日本人の方がいらっしゃいましてね。
忖度に当たる英語はないものかと調べてみると
【conjecture(推測する)】とか
【guess(言い当てる)】といった言葉が出てくるんですが、
それを伝えても外国人の彼にはピンと来ないみたいなんですね。
きちんとしたアメリカの大学を出て教養のある人でも判らないというのは、
根本的な文化の違いという事なんでしょうかね。
そのうちアメリカ人の間で日本を語る時に
『スキヤキ、フジヤマ、ソンタク』なんてな事を
言われるようになっちゃうかもしれませんね。
ただ外国の映画なんて見てると、
マフィアのボスなんかが、目の上のたんこぶみたいな存在の男の事を、
「・・・あいつ、邪魔だな・・・」
なんてんで手下の前でボソッと呟いただけで、
翌日その男が港に浮かんでるなんて場面があったりしますよね。
これこそまさに【アメリカン・ソンタク】という事に
なるんじゃないかと思うんですけどね。
アメリカ人に説明するのであれば、
やはりその国の文化を使って説明するのが
ベストなんじゃないでしょうかね。
「ほら、君の国に【クリスマス】というイベントがあるだろ?
君も子供の頃、クリスマスは楽しみだったんじゃないのかい?」
「もちろんさ。子供はみんなクリスマスが大好きだよ」
「そのクリスマスイブに枕元に靴下をぶら下げておくと、
翌朝、そこに欲しかったプレゼントが入ってたりするだろ?
・・・それが【忖度】って事さ」
「・・・あ~なるほど!」
なんてんで、一発で理解してくれるんじゃないですかね。
それでプレゼントをくれる人の事を
【ソンタクロース】って言うんでしょうね。
微笑亭さん太