優秀すぎる子供
AIの進歩が凄いというのは今さら言うまでもない事ですが、
我々が思っていた以上に加速度的に進化している感じがしますね。
昨年も、本職の優秀な医師の方が見つけられなかった患者の病気を、
AIが見つけたなんて事が話題になりました。
何しろインプットされたデータさえ正確なら、
AIには【ヒューマンエラー】というのはないわけですからね。
医療ミスをゼロにするという事も夢ではないわけですよ。
妥当な判決を下す【裁判官AI】などというのも出てきてますが、
医師とか裁判官といったエリート職業の方々が、
AIに居場所を脅かされているというのは、何とも皮肉な話ですね。
AIというのは【アーティフィシャル・インテリジェンス】の略ですが、
こうなってくると我々人間に対して言っている
【あんたらは・いらない】の略のような気がしてきますね。
かねがね、人間を越える人工知能が現れ、
自らの力で新たな人工知能を作り上げてゆく未来というのは
2045年頃に来るとされていましたが、既に人類は
その領域に足を踏み入れているようですね。
というのも先日、AIの研究者らが
【自らの力で新たな人工知能を作り上げるAI】の開発に成功したそうでしてね。
要するに人口知能に人口知能を作らせる試みという事でして、
平たく言えば【人口知能の出産】という事にでもなるんでしょうかね。
そしてAIの子供は、親よりも優秀なAIになっているそうでして、
何だか戦後あたりに書かれたSF小説を
地でいってるような展開になってますよね。
研究が進むのは良い事なんでしょうが、本当に大丈夫なのかと、
心から喜べない感じの怖さもありますよね。
このままAIの進化が進んでいくと、AIが暴走して、
人間がそれを制御できなくなるなどという事態が来るかもしれませんからね。
「総理、大変です!我が国が開発したAIが暴走を始めました」
「何、それは大変だ!早速専門家たちを集めて暴走を止めねば」
「もう既にやっておりますが、どんな優秀な専門家が止めようとして手を打っても、
それを全てかいくぐって、もはや制御不能になっております」
「何という事だ・・我々人間はAIに支配されてしまうという事なのか?」
「もう、打つ手がありません」
「どうすればいいのだ・・・」
政府閣僚たちが絶望の面持ちで会議をしているところへ
掃除のおばちゃんが入ってきて、
「あんた達さ、そのAIとやらのコンセントを抜いてみたらどうなの?」
一瞬で解決したりしましてね・・・
この一件で掃除のおばちゃんの功績が認められて総理に就任して、
現閣僚たちがみんなクビになって、
おばちゃんの代わりの仕事をさせられるようになりましてね。
これがいわゆる【内閣掃除職】というヤツですね。
微笑亭さん太