その会社、クロだ
熱帯魚や大型魚が優雅に泳ぎ回っている巨大な水槽が置かれていると、
何となく『この会社は、さぞや儲かってるんだろうな~』なんて思ってしまいますよね。
飼うのにコストがかかるような生き物を飼っているというのは、
余裕の表れのように思えますからね。
「ウチの会社はね、馬と雀を飼ってるんだよ」
「馬と雀?本当に?」
「ああ。朝早くから夜遅くまで働かされる社員は【馬車馬】だけど、
給料は【雀の涙】なんだよ」
安い給料で休みもなく、
死ぬほど働かされる会社を【ブラック企業】などといって、
今や社会問題となってますよね。
入社してしまってから、ブラック企業だと気づく方がほとんどのようですが、
入社前に判る方法があるといいですよね。
就活をしている大学生なんかが試している
【ブラック企業を見分ける方法】なんですが、志望している企業に、
夜の11時過ぎに電話をかけるんだそうですね。
この時、ワンコールで
「はい、○○株式会社でございます」
なんてんで出られたりすると、
そこはブラック企業である可能性が高いんだそうですね。
電話に出られるという事は、そんな時間まで社員が残業しているって事ですからね。
日曜日に電話をして、社員が出た場合も同様だそうですね。
さらに夜中に、実際にその会社の前に行って窓を見て、
電気が消えてるかどうかをチェックすれば、
より判断の確度が上がるそうですね。
いくら【残業ゼロ!】なんて謳っていても、
実態はかけ離れている事がよく判るという事ですね。
「この会社は深夜に電話しても誰も出なかったから、
ブラック企業じゃないみたいだ」
なんてんで入社してみてら、初日に社長が寄ってきて満面の笑みで、
「ウチの会社で、ひとつだけ守ってもらいたい事があるんだよ」
「何でしょうか?」
「5時以降は、電話に出ない事」
向こうの方が一枚上手だったりしましてね。
若者が、そういったブラック企業に勤めざるをえない状況を
作っている物のひとつと言われているのが【奨学金】でしてね。
奨学金は経済的に苦しい学生たちに学費などを貸し付ける制度ですが、
現在の大学生のうち、二人に一人が奨学金を借り、
その平均額が三百万円だそうですね。
これは当然、返さなければいけないわけなんですが、
返済に関しては返済開始直前に説明会に呼ばれるまで 、ほとんど説明がないため、
あまり理解せずに多額の借金を背負った状態になってる子が結構いるわけです。
ですから返すために、背に腹はかえられぬとばかりに、
ブラックな会社にも入ってしまうわけですね。
「俺もさ、奨学金を返さなきゃいけなかったから、
激務の清掃会社に入ったんだよ。
毎日、毎日色んなところの消毒作業ばかりやらされてるよ」
これがいわゆる【借金消毒】というやつですね。
奨学金を貰いながら大学に通う苦学生の人たちには
頑張ってほしいものですが、女子大生が、
「私、夜はキャバクラでバイトしてるの」
と言うと、不真面目な子に思えますが、キャバクラ嬢の女の子が
「私、昼間は大学へ通ってるの」
と言うと、凄く真面目な子に思えますよね。
状況は全く同じなんですけどね。
微笑亭さん太