携帯される個人情報
もはや必需品と言ってもいいくらいの、
無くてはならないレベルになってきてますよね。
商談や約束も、全て携帯電話を持っている前提で
進められる事は言うまでもありません。
そこにはその人の様々な個人情報が詰まっているわけですから、
その人を特定したりする
【指紋】などと同等の価値があると言っても過言ではないでしょうね。
携帯電話に残った皮膚片や皮脂、手垢などから、
その持ち主のライフスタイルについて多くの事が判り、
将来的には犯罪捜査で指紋代わりに
利用できるかもしれないという研究結果が発表されたそうですね。
実験に協力した複数の人のスマートフォンと、
右手の様々な箇所からサンプルを採取して分析したところ、
スマホには実に沢山の化学的情報が残されている事が明らかになりましてね。
分析の結果【抗炎症性や抗真菌性のスキンクリーム】だとか
【脱毛治療薬】【抗うつ薬】【カフェインやハーブの分子】などが検出され、
【日焼け止めクリーム】や【虫よけ剤】などに至っては、
使用から数ヶ月経っていても確認できたらしいですね。
【日焼け止めクリーム】や【虫よけ剤】を使っているかが判れば、
よく屋外に出ているアウトドア派かどうかが判るわけでして、
そうなれば容疑者から【引きこもりの若者】は外されて、
【イモトアヤコさん】が重要容疑者の筆頭に来るでしょうね。
「スマホの手垢から個人を特定できるなんて凄いですね」
「これがいわゆる【垢ウント】ってやつだね」
こうなってくると犯罪者の方も、
万が一の時のために携帯に手垢が残らないような対策を
取ってくるかもしれませんよね。
「俺は大丈夫だよ。
何しろスマホを毎日、アルコール消毒してるから足が付かないよ」
なんてな事言ってた犯人が、あっさり捕まりましてね。
「な、何で俺が犯人だと判ったんだ?」
「簡単だよ。
スマホを調べた結果、犯人は【潔癖症】だという事が判ったからな」
こんな捕まり方もあるかもしれませんね。
こういった情報は、
犯罪捜査のプロファイリングや空港の保安検査、
患者が処方薬をきちんと服用しているかどうかを調べる医療検査、
環境実態の研究などにも応用できる可能性があると言いますから優れものですよね。
よく彼女が彼氏の携帯を見て、
浮気の証拠を見つけてケンカになるなんて事がありますが、
将来的には、もっと詳しい事まで判ったりしましてね。
「・・・あ、亜希子、俺のスマホ持ってっただろ?」
「・・・カズオ君って、痔だったのね」
「何でそんな事知ってるんだよ?」
「あなたのスマホから、ボラギノールの痕跡が出たのよ。
お尻に塗ってるでしょう?
それから昨日、三回もマスターベーションしたわね?」
こんな情報まで事細かに判ってしまったら、
やりにくくてしょうがないですよね。
微笑亭さん太