出会いはスローモーション
車の事故には、くれぐれも気をつけていただきたいですね。
毎日、数多くの交通事故が起こっていますが、
その中で交通事故に遭いながらも、
幸いにも生還された方から話を聞くと、
交通事故の瞬間、物事が物凄くゆっくり、
まるで【スローモーション】のように展開して見えたと
仰る方が結構いるんですね。
交通事故だけではなく、
『高いところから落ちた』などの事故を体験された方も、
こういったスローモーションの感覚を
味わってるようですね。
時間というのは、
世界中の誰にも平等に流れているわけですから、
特定の誰かにだけゆっくりと流れる事はありえませんよね。
ところが最近、千葉大学の研究で、
『危険を感じた瞬間に、
物事がスローモーションに見えるという現象』が
実際に生じる事が確認されたそうですね。
「危険を感じた時にスローモーションになる経験をしたよ」
「へえ、事故にでも遭ったの?」
「いや、この間、風の強い日に、
通学途中の女子高生のスカートが
ブワッとなってパンツが見えた瞬間、
スローモーションだったからね」
この場合、危険を感じたのは
女子高生の方でしょうけどね。
人というのは危険な状況に陥った時、
通常よりも早く視覚情報が
処理される可能性が高いようでして、
それがスローモーションという感覚に結びついているようですね。
短い時間のうちに
通常よりも早く情報を処理する事ができれば、
的確に身をこなし、ケガの程度を軽くするなどして
生存可能性を高める事に繋がるというわけですね。
死の間際に【走馬灯】が見えるという話がありますが、
あれも【死】という危機から脱出するための
知恵や経験は無いかと、
記憶を検索しているという説があるそうですね。
「ウチのかみさんはさ、本当に家事をするのが遅いんだよね」
これは奥さんの行動が遅いわけではなく、
ご主人が奥さんに対して常に【身の危険】を
感じているからという可能性もありますよね。
こういった感覚は現代人にだけではなく、
昔からあったようですね。
江戸時代、身なりのいい武士と、
月代は伸び放題、つぎはぎだらけの汚い着物を着た侍が
往来でケンカになりましてね。
「無礼な奴だ!斬り捨ててくれる!」
身なりのいい武士が刀を抜いて斬りかかったところ、
相手は余裕でその太刀筋を見切ってヒラリとよけ、
身なりのいい武士は斬られてしまったそうでしてね。
見ていた町人が、
「お侍さん、よくあんな風に見事によけられましたね」
「なあに、ワシには向こうの動きが、
実にゆっくりゆっくりに見えたのじゃ」
どうしてかな~と思って考えてみたら、
その侍が【スロー人(素浪人)】だったという・・・
微笑亭さん太