今夜が山です
田原での出前講座を済ませた後、長野県に移動して
下伊那郡平谷村にあるゴルフ場、
平谷カントリー倶楽部に行ってきました。
寄席は午後7時からという夜席だったのですが、
時間的余裕もあったので、5時過ぎには現場に着いていました。
長野県というと、かなり遠いイメージがあったのですが、
豊田市が大きくなったという事もあり
実は豊田を越えてすぐのあたりに位置しています。
とはいうものの、
信州の山中にあるゴルフ場ですから、
私の根性以上に、かなり曲がりくねった山道に苦戦しながら
田原から現場に着きました。
呼んでくださったのは、Kさんという方だったのですが、
ゴルフ場の本館に入ってみると、
Kさんはおろか、受付も閉まっていて、誰一人いません。
尋ねる人すらいないので、
どこに行っていいかも判らず、
仕方がないので、Kさんに電話してみたのですが、
山中の電波状況が悪いらしく、
何度かけても繋がりません。
メールをしても返信はありません。
6時半開場の7時開演となっているのに
6時35分になっても、誰も様子を見に来る気配がありません。
・・・てゆーか、開場時間を、過ぎたのに
お客さんが来る気配すらありません。
これではラチがあかないので、
少し離れたところに宿泊棟があり、
そちらの方で聞いてみると、
本館の2階で寄席があるとの事。
入っていってみると、会場は作られていましたが、
お客さんは、だ~~~れもいません。
そして、スタッフらしき人もいません。
本当に寄席があるかどうかすら怪しいです。
そこへやっとKさんが登場されましたが、
その時刻、6時45分です。
「寄席は7時からなんですよね?」
「ええ、そうなんですが、
人が集まらないので、宿泊棟の方に、
お客さんを呼びに行ってます」
・・・宿泊棟のお客さんが頼りなんだ・・・
「着替えは、どこでしたらいいでしょうか?」
「今なら誰もいませんから、ここでどうぞ」
笑顔で高座の真ん前を指すKさん。
「・・・いやいやいや、ここ会場ですから。
楽屋をいただきたいんですけど」
「じゃあこちらへどうぞ」
小さな和室へ通されました。
果たして何時から始まるのか、
お客さんは本当に来るのか、
Kさんは大丈夫なのか(笑)
色んな不安が渦巻いていましたが、
とりあえず着替えねばと思い、
和室の電気をつけようとしたら、
今度は電気がつかない(笑)
それでも何とか着替えましたが、
7時の時点で、お客さんゼロ。
スタッフの方が宿泊棟から拉致して連れてきた方々が
10人ほど座っていただいたのが
7時15分頃でした。
しかも皆さん、明らかに酒臭く
完全に宴会の途中に、来るつもりもなかった寄席に
無理やり連れて来られた感が満載でした。
とりあえず落語は始まったのですが、
始まると同時に皆さん、コーヒーやビールを注文されていて、
それを持ったスタッフの方々が
頻繁に客席をウロウロするんですね。
しかも必ず手にグラスを持っているので、
何回も何回も前を横切られるんです。
なぜお盆を使わない!?(笑)
そして次なる刺客は【虫】です。
山の中ですから涼しいのはいいんですが、
灯りに誘われて、開けられた窓から様々な昆虫が入ってくるんですね。
目の前をアブ、蛾、カナブンたちがブンブン飛んでいて
それを叩き落とそうとするお客さんたち。
一匹落とされると、すぐさま新手の仲間たちが・・・
寄席だか昆虫図鑑だか判らないような状況です。
集中力散漫になる条件が取り揃う中
私の方は必死で喋っておりましたが、
そこにまた、さらなる【刺客】が。
突然の豪雨と、鳴り響く雷鳴!
もうここまでくると、次に何が来るのか
楽しみですらあります。
雨が入ってくるもんですから、
スタッフの方が気を遣って窓を閉めてくれたのですが、
「ガッチャ~ン!」
突如、会場に響く大きなガラスの音。
スタッフの方が、お客さんのアイスコーヒーを倒して
全部こぼしました(笑)
・・・もう、コントでも、
こんな面白い台本は書けませんよ。
最後の最後で、【最強の刺客】がきましたね。
山中での高座でしたから、
これも修行のひとつと、
思わなければいけないんでしょうかね?
微笑亭さん太