進化しない人々
【ノーベル賞】というのがありますが、
それに対して、本筋ではないけれども、
ユーモアあふれる研究をした人に贈られる
【イグノーベル賞】というのがあります。
同様に、優れた業績を挙げた生物学者に授与される
【ダーウィン・メダル】に対して、
【ダーウィン賞】というのがありましてね。
このダーウィン賞は、進化論で有名な
チャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられた、
【皮肉の名誉】であり、愚かな行為により死亡する、
もしくは生殖能力を無くす事によって
自らの劣った遺伝子を抹消し、
人類の進化に貢献した人に贈られる賞なんですね。
平たく言えば
【信じられないようなマヌケな死に方をした人】を
表彰してるわけですね。
歴代の受賞者を振り返ってみると、
猛者が沢山いましてね。
賞が設けられた一九九四年、
記念すべき最初の受賞者は
『商品を盗もうと缶ジュースの自動販売機の上に乗ったが、
機械が倒れ、その下敷きになって死亡した男性』でしてね。
初代チャンピオンに相応しい死に方で、
まさに【一缶の終わり】ですよね。
一九九六年には
『男らしさを誇示しようと、
チェーンソーで自らの首を切断した男性』
が受賞しましてね。
これを聞いたジェイソンが
『その発想は無かった』と驚いたそうですけどね。
一九九八年は『口喧嘩の末に、
八階の自宅バルコニーから投げ落とした妻が
電線に引っかかっているのを見て、
追撃のためか救出のためか自らも飛び降り、
そのまま地面に激突して死亡した夫』だそうでしてね。
電線に引っかかっている奥さんを見て、
自分も飛んでみたい思いが
伝染(電線)しちゃったんでしょうかね?
二〇〇一年には
『呪術的なローションを二週間使用した後、
不死身になった事を確認するため、 友人に自らを撃たせて死亡した男性』でしてね。
きっと今頃、あの世で
『あ~!二週間じゃ足りなかったか~』
・・・そこじゃない!
みたいな感じになってるでしょうね。
この方、不死身ではなかったですが、
ある意味【無敵】と言える方ですよね。
この年は【豊作】でして、
他にもメキシコのチワワ州にある
クリスタルの洞窟において、
『天井から生えている巨大なクリスタルを
盗掘しようと試みたが、真下に立っていたため
落ちてきたクリスタルの下敷きになり死亡した男性』
も受賞してるんですね。
その男性を見て田中康夫さんが
『なんてことクリスタル』って小説を
執筆したって話がありましてね。
二〇〇五年には、
スイス陸軍の中尉が受賞されたんですが、
その方、自身の隊に急襲訓練を行うことを
個人的に思い立ち、銃剣を手に隊員を襲撃したら、
驚いた隊員に銃撃され死亡しちゃったんですね。
ある意味、日頃の訓練の成果が出たわけですよね。
きっと死ぬ間際には
『そうそう、こういう風にやるんだ』と
ご満悦だったんでしょうね。
近年では、二〇一二年の受賞者が凄いですね。
ボトルの中の液体を酒だと思って飲んだら、
ガソリンだったんですね。
それで慌てて吐き出したら、
服がガソリンまみれになっちゃいましてね。
そして口直しのために、タバコに火をつけようとして
引火して死亡しちゃったんですが、
これはもう、そのままコントとして通用しますよね。
微笑亭さん太