その施設に賭けているもの
ギャンブルに関するスキャンダルが出てしまいましたね。
オリンピックにも関わってくる事ですから
非常に残念ですよね。
ギャンブルというのは、
今いち言葉の持つ響きが良くないわけですが、
それをプラスの動きに変える事も出来るようでしてね。
今、パチンコやマージャンなどを介護予防につなげる
【アミューズメント型】とか
【カジノ型】と呼ばれるデイサービスが
関東を中心に増えているそうですね。
横浜市都筑区の
『ラスベガス横浜都筑店』というデイサービスでは、
約二百平方メートルのフロアに
パチンコ台やマージャン台が置かれ、
多くの高齢者の方々が楽しんでいるそうですね。
もちろん、お金は賭けておらず、
【ベガス】という疑似通貨をやり取りするそうですね。
そしてその日、最も多くのベガスを獲得した人を
表彰する方式だそうで、
当然換金はできないわけですから健全ですよね。
その施設では、ストレッチや個別リハビリなど
四十~五十分間の運動、食事、
入浴などの時間を除くと、利用時間約七時間の半分が
レクリエーションの時間といいますから、
ギャンブルやり放題ですよね。
実際利用者の方々も、
ギャンブルを通じて会話が増えるという事で、
大変に好評だそうです。
「でもお年寄りの中には
心臓の弱い方もいらっしゃるでしょうから、
そういう方がパチンコをやっていて
【777】が揃ったら、
驚きのあまり心臓麻痺を起こしちゃうなんて事も
あるんじゃないですか?」
「ええ、ですから【遠隔操作】で、
時々【777】を揃えてるんですよ」
てな会話が裏で交わされてるかもしれませんよね。
マージャンやパチンコといった
一般的なギャンブルばかりではなく、
そのうちに施設独自のギャンブルが
導入されるかもしませんね。
車椅子に乗せたお爺ちゃん、お婆ちゃんを
介護士の方が押してゴールの早さを競う、
競馬さながらの車椅子レースとかね。
【介護ステークス】と名付けられたそのレースは、
ゴール前でお年寄りが、介護士の方にムチを入れて
スピードアップさせるのが
見ものだったりするわけですね。
「今度、【介護ステークス】の他に、
【天国杯】ってのも始まりました」
「天国杯?それはどんなレースですか?」
「施設の利用者の中で、
誰が一番早く天国に行くのかを予想するものです」
中には、自分に賭けて
見事勝利しちゃうツワモノもいるでしょうね。
・・・配当金が受け取れないのが残念ですが。
微笑亭さん太