かまわん、捨ておけ
いざそれが必要になった時に、
必要性を痛感するなんて事がありますよね。
転勤族でよく引越しをされる方が、
引越しのたびに持っていくのは邪魔だからと、
トイレが詰まった時に使う
スッポンを捨ててしまいましてね。
あれ、正式名称を【ラバーカップ】と言いますが、
引越し先の初日、
夜中にトイレが詰まって必要になっちゃいましてね。
トイレというのは詰まってしまうと、
待ったなしですからね。
仕方なく置いてある店を探して、
夜中に走り回る事になり
『捨てなきゃよかった』と後悔するわけですね。
・・・つまらない物だからと捨てたら、
つまらないどころか詰まったわけでして。
詰まった時に詰まらなくするために、
つまらない物が必要となるという、
簡単に捨ててしまうのも良くないのかもしれませんね。
逆に、色々な物を捨てられなくて
困っている人もいますよね。
どんどん物が増えていって
整理が追いつかないなんて事になるわけですが、
最も合理的な整理法は
【一日一捨】なんだそうですね。
効率的な整理整頓のコツは
【物を増やさない】という事で、
捨てるルールを決める事で無理なく自然と物が減り、
なおかつ考え方も洗練されるという事でしてね。
具体的に言えば
『何か新しい物を入れるのであれば、
何か一個捨てるか、
使い切ってからにする』という事ですね。
「そうか、物が増えていくと
家の中の整理がつかなくなるから捨てろと・・・
そうか!最初に家を捨てればいいんだな」
なんてんでホームレスになっちゃった方がいましてね・・・
でも、ホームレスの方というのは、
結構物を持ってらっしゃるんですよね。
「どんどん物が増えていって困ってます」
「この間教えた、
【一日一捨】を実践しなかったんですか?」
「いえ、ちゃんと一日に一つ捨てましたよ。
でも、一日に二つ買ってきちゃうんですよね」
これでは間違いなく増えますよね。
「お前か、ウチの嫁に変な事を吹き込んだのは!?」
「いえいえ、変な事じゃありませんよ。
物を増やさないために、一日一捨を
実践しましょうと勧めただけですよ」
「バカ野郎、そのお陰で
俺の物がどんどんなくなっていくんだよ!」
旦那さんの物が減って奥さんの物が増えても、
全体数が増えなければOKですよね。
物が沢山あると、
必要な物がどこにあるのかが判らなくなって、
探し回る事になりますよね。
元々人間というのは探し物の多い生き物でして、
探し物をしている時間を合計すると、
人は一生で百五十日以上、
探し物をしている計算になるらしいですね。
当然その分、
お金も時間も無駄にしているわけですからね。
「最近、万歩計を付けてるんだって?」
「そうそう。
健康のために歩くようにしてるんだけどさ、
その歩数の半分以上が【探し物】のためなんだよね」
これはちょっと切ないですよね。
微笑亭さん太