切れ物たちが、群雄割拠
街にコンビニが乱立する日本ですが、
そこで販売されているお弁当も、
賞味期限切れで毎日何割かは
廃棄処分されているわけです。
コンビニ大手の【セブンイレブン】の場合、
ひとつの店から出るお弁当の廃棄は
平均30個だそうですね。
これを全国で換算すると、36万食分になるそうでして、
金額にして、約1億8千万円分が
毎日棄てられている事になるわけです。
いくらなんでも勿体ないから、
値下げして販売してはどうかと思うわけですが、
そうはならないカラクリというのがあるんですね。
というのも、例えば500円のお弁当の場合、
店が本部に支払うロイヤリティは60円程度なんですね。
それが廃棄させると、ロイヤリティが140円になるんだそうでして、
売るよりも廃棄させた方が本部が儲かるという
システムになってるんですね。
とは言うものの、賞味期限が切れたとはいえ、
まだ十分に食べられる物を棄てるというのは、
抵抗があるという方も多いんじゃないでしょうか。
このように、本当はまだ食べられるけれど、
消費期限切れだからという理由によって、
大量の食品がゴミ箱行きとなっている現実に
心を痛めた英国人青年が、3年前から
ユニークなカフェをオープンさせて話題になってましてね。
元々調理師だった二十代の青年、
アダム・スミスさんて方が
英国リーズ市で開業したカフェは、
シチューやキャセロール、スープやケーキ類まで、
様々な料理を楽しむ事ができるんですが、
これらを作る食材は全て
【消費期限切れの食材】なんですね。
スーパーの見切り品や消費期限を過ぎた食材の中で、
まだ食べられる物を捨てずに使おうという試みでして、
食材は実際ににおいをかいだり味見をしたりして、
安全に使える食材を判別してから再利用されるそうですね。
味見をしたシェフがその後、病院に担ぎ込まれたら
『あ、この食材は使っちゃいけないな』って事が
判るわけですね。
ただし、英国の法律では
消費期限を過ぎた食材を販売してはならないため、
このカフェを利用した際の代金はあくまで
【寄付】という体裁で、お客さんの側が
価格を決めるシステムになっているんですね。
ですからカフェの名前も
【Pay as You Like(お代はご自由に)】
というんだそうですね。
このプロジェクトは立ち上げから二年で
アメリカ、フランス、スイス、ポーランドなどの各国で、
120店舗を展開する事になってるそうでして、
現在までに、実に200トンの食材が捨てられずに
人々の胃袋に入ったらしいですね。
日本ではなかなかこういうお店は、
衛生上難しいでしょうが、日本の場合、
賞味期限切れ間近の食材は
加工食品になって再登場という手が使われてます。
例えば、【魚の切り身】が【フライ】になって、
さらにその後刻んで
【コロッケの具】になるという具合ですね。
あるいは【おつとめ品】というシールを付けられて
売られたりしますよね。
伺ったら、ヤクザの世界でも年取った組員を、
身代わり出頭させて服役させるなんという、
【おつとめ品】という制度があるという噂ですね。
そのうち
【賞味期限切れキャバクラ】とかも出てきたりしましてね。
「女の子を味見したり、においを嗅いでみて、
イケるかどうか判断してくださ~い」
なんてな事を言われたりしたら、
怖いもの見たさで意外に繁盛するかもしれませんよね。
微笑亭さん太