誕生日に思う事
大きく分けて【キャラクター至上主義】と
【ギャグ至上主義】がいると思います。
【キャラクター至上主義】というのは端的に言うと
噺のストーリーを精査し、
人物描写に重きを置くタイプですね。
聞いているお客さんの頭の中に、
登場人物のキャラクター像をしっかり構築させ
それに基づく言動に触れた時に
『ああ、このキャラならこんな事をしそうだ』と
お客さんの共感を呼んで、笑いに昇華させるわけですね。
当然、納得いくまで噺を練り込むでしょうし
ひとつひとつの笑いの重量が大きいと思います。
それに対して【ギャグ至上主義】というのは、
『笑わせる事こそ命』と思っていて、
人物描写などは二の次、ディテールにはこだわらず、
ひたすら【ギャグの手数】を求めるタイプですね。
私は明らかに、こちらのタイプです。
だから私の作る創作は
これといったドラマもなく、
薄っぺらい感じが多いんでしょうね(汗)
判っていながら、ギャグの呪縛から離れられない自分が
時々嫌になります。
そもそも落語というのは
ストーリーを聞かせるものですから、
本来は【キャラクター至上主義】じゃなければ
いけないのだと思います。
今はまだ、ギャグ至上主義で突っ走っている私ですが、
この先、芸風の転換を迫られる時が
やってくるのではないかと思います。
それは年齢的な事だったり、心境の変化だったり、
様々な事が原因になりうると思います。
でもその反面、
【落語はウケればいいってもんじゃない】
という絶対命題に対し、あえて
【落語はウケればいい!】という
反旗を翻し続けたいという思いもあったりします。
これから自分の芸風・作風がどうなっていくのか
自分でも予測がつかない面がありますが、
たまには自分の落語に真摯に向き合う瞬間があってもいいと
昨日、誕生日を迎えて、そう思った私でした。
微笑亭さん太