ブラック&ピンク
大人数で飲む機会も増えてくるでしょうね。
宴会なんかでテンションが上がってくると、
『オヤジギャグ、下ネタ、裸になる』という『三種の神器』を多用する
世のお父さん方は多いですよね。
特に下ネタで、会場の人達をドン引きさせてしまうパターンが多い気がしますが、
ああいう類のネタを人前でやるのは、なかなか難しいですよね。
落語でも漫才でもコントでも、
『お笑い』と名のつくもの全てを、鍋の中に入れてグツグツ煮詰めていったら、
最後には『ブラック』と『ピンク』というエキスが残るんじゃないかと思います。
つまり、お笑いを突き詰めていくと、
どんなパターンのギャグでも、
『ブラックユーモア』と『下ネタ』になっていく気がするんですね。
自論ではありますが、
これは、人が本来はあまり公に認めたくない、
『残酷さ』と『好色さ』という2つの感情をうまく刺激して、
巧みに笑いを引き出しているという、
お笑いの構造があるからじゃないかと思います。
私自身はブラックな芸風ですので、そういうネタはよく使いますが、
踏み込みすぎて、『ブラック』が『エスプレッソ』ぐらいになって(!)
引かれてしまう経験は多々あります。
でも、懲りもせずに、
そんなネタばかり好んで考え、使ってしまうんですね~。
「パパ、アメリカって遠いの?」
「…黙って泳ぎなさい」
このブラックな小噺を考えた人は天才だと思うんですが、
「パパ、ママの顔色が青いよ」
「…黙って埋めなさい」
私個人としては、このくらいまで踏み込んだネタの方が好きなんですね。
でも後者の方を演ると、客席が引き潮の海岸みたくなっちゃう事が多いんですね。
『自分の好み』と『お客さんのニーズ』をすり合わせていくのは、
なかなか難しいものです。
下ネタの方はもっと難しいですよね。
高座で下ネタを多用される噺家さんもいますが、
この下ネタという爆弾は、一歩間違うと、
とんでもない『不発弾』になりますからね。
さじ加減というのは、いまだに判りません。
「おい、お前は下着もつけずに外出する気か?」
「あらお父さん、なんで私がパンツ履いてないって判ったの?」
「だって、スカート履いてないだろう。」
このくらい、あっけらかんとしたネタなら、
笑ってもらえますかね?
微笑亭さん太