興味のわかない話
【徒競走】という事になるんでしょうが、
【障害物競走】というのも人気がありますよね。
途中、様々な障害をクリアしつつ
ゴールしなければならないわけですが、
徒競走に比べると足の速くない子でも、
要領次第で勝てる可能性はありますよね。
最近、この【障害物競走】の呼び名が
変わっているなんて事がありましてね。
2010年頃から【興味走】と
言い換えている学校が出てきてるんですね。
その理由というのがどうも、
【障害】という二文字が差別的意味に捉えられるとして
【興味走】に変更になったらしいのですが、
ちょっと過敏な反応すぎる気がしますよね。
恐らく【障害物競走】という名前に対して
クレームを付けた人もいないと思いますし、
【興味走】という名前の意味もよく判りません。
【差別を無くす】という事より
【言葉狩り】の側面の方が大きい気がしますよね。
こんな調子で【障害】という言葉が言い換えられていくと、
【通信障害】は【通信興味】と言わなければいけませんし、
競馬の【中山大障害】は【中山大興味】と言わなければいけませんよね。
いかにも興味を失いそうな名前ですよ。
「ウチの学校の興味走は、
途中で女性用の下着を身につけるんですよ」
こういう下着を【キョウミソール】と言ったりするわけですね。
規制の波は競技のネーミングだけじゃなくて、
競技そのものについても
規制されるなんて事もあるようですね。
小学校の体育の授業などで行なわれる球技としては
定番の【ドッジボール】を
『野蛮なスポーツなので禁止するべき』という
意見があるんだそうですね。
その理由というのが
『他人にボールをぶつける野蛮なスポーツであり、
イジメにも繋がりやすい』とか
『暴力性が強く、運動が苦手な人は恐怖心に苛まれる』、
『当てる方も当てられる方も、心優しい人ほど傷付くスポーツ』
だからという事なんですが、
こちらも過敏な反応という気がしますよね。
こういう意見を出す方というのは、
多分ドッジボールが苦手だったと思うんですが、
自分の嫌いなものは何でも禁止しろという発想は、
あまり建設的には思えないですよね。
障害物競走の言い換えと同じように、
【競技の禁止】もドンドン進んでいくと大変な事になりそうですよね。
「人のすぐそばでバットを振り回す、
野蛮なスポーツがあるそうですね?」
「では【野球】、【ソフトボール】を禁止にしましょう」
「ボールを獲得するために、体当たりや衣服を引っ張る
野蛮なスポーツもあるんじゃないですか?」
「【ラグビー】、【アメフト】も禁止ですね」
「相手を投げ飛ばしたり、首を絞めたり、
凶器で殴ったりする野蛮なスポーツも規制してください」
「はい、【柔道】、【剣道】も禁止します」
こんなトーンがやがて、
スポーツ以外の事柄にも及んでいきましてね。
『絵の苦手な人間にとって、
全員参加で、貼り出されもする写生大会は
イジメの温床になるから禁止』とか
『書道が苦手な人間にとって、全員参加で、
貼り出されもする書き初めはイジメの温床になるから禁止』
・・・しまいには、学校の授業の全てが
自由時間になる日も、そう遠くはないでしょうね。
微笑亭さん太